「今、被災地は!」公演は、大変充実した七時間となりました。
演劇、ドキュメンタリー映画、映画解説、活動報告、ゲストトーク、トークセッションと、気迫あふれる言葉が舞台から発信されました。
当日の公演の様子をご報告させていただきます。
開場30分前、大型バスで東京の成蹊大学学生ボランティアの若者たち(28名)が駆けつけてくれました。彼ら彼女たちの登場は感激でした。それは、関係者に大きな励ましとなり、会場の雰囲気が一変しました。
(学生さんたちは、受付にスタッフに観客にと獅子奮迅の活躍でした。)
公演がはじまり、第1部はまず最初に、福島県立相馬高等学校放送局による 演劇「今伝えたいこと(仮)」が上演されました。
(上演後のトークの様子です)
セリフを高校生自身の言葉で紡いだピュアで素晴しい舞台でした。原発事故後の沿岸部の高校生のお話です。舞台から投げかけられる彼女たちの鋭い言葉に観客は深い感動と衝撃を覚えたようでした。
上演後のトークでは7人の生徒さんたちにお話を伺いましたが、福島県の代表のつもりで舞台で演じているということ、やはり葛藤を抱えているので毎回つらい思いをしているとのことでした。彼女たちの真剣さに圧倒された時間でした。
(※2013年1月1日(火)朝日新聞の11面(オピニオン)全面に掲載されました)
ドキュメント映画「Women of Fukushima」「Then and Now」監督の米国人ジェフリー・ジョーサンさん。茨城訛りの流暢な日本語を話し、あたたかくフレンドリーな人柄のジェフリー さんは、困った時に助けに来てくれるナイスガイです。映画の 解説をしていただきました。被災地の“たたかい”を今までにない角度から追った映画が上映され、誰もが真剣な眼差しでスクリーンを見つめていました。
「石巻市復興を考える市民の会」の活動報告。代表の藤田利彦さんと副代表の鈴木安夫さんです。
震災直後、機能しなくなった石巻市行政の陰の功労者です。時には避難所へ時には在宅被災者へと寝食を忘れて活動した彼等は、1年9ケ月後の現在もスピードを緩めてはいません。全国からの5,000人のボランティアを組織しての市内全域のドブ掃除や壊滅状態の地域にコミュニティを再生しようと集会所を修復しました。それは、プロの大工さんも顔負けの仕事と評判です。何と開墾をし家庭菜園も指導しています。芸術とスポーツで石巻市を元気にしたいと今日も明日も走り続け、熱く力強いメッセージを発信し続けています。( 「石巻市復興を考える市民の会」の 公式掲示板は→コチラ
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「NPO法人にじいろクレヨン」の活動報告。 代表の柴田滋紀さんは画家です。
遊びを通して傷ついた子どもたちの心のケアをなさっています。
震災当日、彼は火の中で命がけで多くの人を助けました。「命のつかいみち」という演劇で主役のモデルになった方です。この実話は、時期尚早ということで今回は上演できませんでしたが、津波や火災で亡くなられた方々への祈りと共に若い人たちに語り継いでいって欲しいと願っている作品です。石巻市を訪れた方は彼の巨大なモザイクアートを是非ご覧下さい。とても素晴しいです。 「にじいろクレヨンが描いた軌跡」(2012年/星雲社)という本も出版されています。
(第2部につづきます)