不動産の友人に説明を頼み
さーちゃんも承諾して
ヤレヤレと思ったら…。
不動産の池田さんから電話が。
「ちょっと…既にお爺さんから
所有者移転してるよ…」
え？！誰に？！
「これはお婿さん（M氏）じゃないかな？
Mさんて名前だけど？」
そんなことできるわけないじゃない
赤の他人なんだから！
「いや、信托でさ…
とりあえず登記簿謄本メールするわ」
登記簿謄本てのは地番さえわかれば
誰でも手数料払えば取れる。
池田さんは一部取り寄せていた。
（これは違法ではないので良いんだ
私だってさーちゃんに
登記簿謄本取ってみたら？と話していた）
謄本の写しを見て
（な〜んだ😅）と安堵。
土地の所有権はたしかにM氏になっていたが
やっぱり信託だった。
だからM氏名義とはいえ
ただ売買等を代理でやる、という事。
M氏はあくまで受託者であり
資産売買による収益は全て
受益者のものになる
受託者（M）は無報酬とも記してある。
池田さんに電話をして
「信託にしたことは聞いていました。
失念しちゃって言ってなかったの
ごめんなさい🙏
これは想定内です
Mさんがお爺ちゃまに代わって
土地の売買や管理をするってことでしょ？
その収益は相続人（娘や孫娘）に
行くんでしょ？」
池田さんは
「よく見てみろよ、
受益者はお爺さんだぜ？
しかも、委託者（お爺さん）が
死亡した後も受託者（M）の地位は
相続人に承継されない、とあるんだよ」
え？！
私は頭が真っ白になって
「ちょっと待って！
意味はわかるけど…受け止められない…」
池田さんは客観的な視点でみている
それでもM氏が結んだ信託契約に
不信感を抱いているのだ。
私はM氏に情があるから
ズルいことや金目当てのことを
するなんて考えたくない。
しばらく沈黙してやっと整理した
「これ…普通の信託ではないですね…
三角形になっていないもんね…」
池田さんは
「そうなのさ、
普通はね、親（委託者）の財産管理を
例えば長男が受託者となって
一括管理する
そして受益者は相続人全員とかだろ？
これ、婿さんと舅の二人だけなんだよな。
しかもお爺さんが亡くなっても
婿さんの立場は消滅しない…
つまり相続人でもない婿さんを
通さなくては資産を売買出来ないんだよ」
なんでこんな…絡むのよMさん。
「まぁ、お前の友人夫婦だから
悪い人ではないんだろうけど…。
俺は少なくとも、こんなややこしい
物件は関わりたくない、
この信託契約って弁護士か
司法書士に頼んだのかな」
いや…たしか安い行政書士。
「ふ〜ん…
うちの弁護士か司法書士の先生に
聞いてみるかい？」
いや！そこまでしなくていいです。
もう、私関わりたくない。
知ったところで私は当事者でもないし
もし、Mさんが金の亡者だったとしたら
そんな事、さーちゃんには言えない。
「そうだな…。
これ…Mさんて人が本当に
善人であれば、別にいいんだし。
良く解釈したら
相続人二人がそういうことに
長けていないから
自分が代わりに無償で手続きするよ
ということかもしれないしな。
まぁ…俺はそんな人はなかなか
いないと思うけど。
たくさんのお客さんを見て来たから
うがった見方しか
出来ないのかもしれないけど…
少なくとも俺の目からしたら
このMさんて人がいくらでも
自分の懐にお金を入れる方法
抜け道が見えるんだよな。
そのMさんてどんな人？」
どんな…って。
普通のおじさん。
ちょっとおしゃべりな。
今はネットワークビジネスと
仮想通貨にハマってるけど…
「…悪いけど、それマルチだろ？
それ聞いた時点で頭良いとは思えない
馬鹿なんじゃないの？
いったいいくつなのさ」
池田さんと同い年くらいだわ。
でも、一応は大企業で定年まで
働いたんだよ？
「それが何だよ、
それなのにこれかよ！
同じ世代で同じくらいの子供も
孫もいるからな、
俺からしたら馬鹿野郎だよ
mayumin 、悪いこと言わない
もう関わらない方がいい
手を引きなさい」
そうですね、私も本当にそうしたい。
ただ…娘のさーちゃんが心配で…。
「娘さんか…
その人には、信託の件は言わないで
この先どんな風に相続が発生するか
土地の売買と不動産のことを
説明してあげるよ。
さすがに父親が娘の相続分まで
横取りはしないだろうし…
いや、わからんな、こればかりは。
まぁ、その時は弁護士だな。
娘さんはそれで今後は
お前に相談しなくなるだろうし。
相談されても、同じ知識しかない、
で、通しなさい。
アドバイスも出来ないし、しない
関わったってろくな事はない」
そうですよね…
わかりました、と電話を切った。
お金が絡むと…人は変わるから。
Mさんが悪人でない、と信じたいけど
もう、期待はしない。
あの人は変わってしまった。