凄い、すごい本だ。
前著で中国のIT、DXの進化に衝撃を受け、2冊目が出たというので手に取った。
二匹目のどじょうとやらかと思ったが、そうではない。
コロナ禍を挟んで、DX、UXがさらに進み、中国でもどんどん進化し、
衝撃的な内容はさらにパワーアップしていた。
後半の分析、日本成長のカギというのも魅力的だったが、
何しろ中国だ。
あの、中国で、顧客視点のサービスはかなり進んでいる。
なんで共産党が支配するあの中国で、と思うが、
縛るところと任せるところの加減がいいのだろう。
まず、アフターデジタルの定義。
真に顧客提供価値で勝負すること
とある。
それが中国で実践されているのだ。
NIO テスラとの違いは、電気自動車のカギを渡してからが仕事であるところという。
ライフスタイル高級会員チケットを600-700万で買っていただき、
ギフトとして電気自動車を贈るというのだ。
充電から始まるサービスは、確かに生活の質をあげそう。
創業者は、北京の空を取り戻すために起業したという。
そういう中国人が存在しているのだ。それも大勢
バイクのNIUの例もあった
さらに、若者向け賃貸サービス ZiRoom
エアビー的なサービスがうまく組み込まれている。
家を貸すだけではないのだ。不動産会社との付き合いになる。
衆安保険。損保をカスタマイズしてアリババなどあめぶろ他のサービス形態に組み込む。
著者が前回絶賛したラッキンコーヒーは
スタバが「サードプレイス」にこだわることをやめ攻めに出たこともあって、
不正を働くなどして失速したらしい。
スタバが顧客ニーズにこたえたのだ。
それが素晴らしいと思う。
凄すぎる。
なぜ日本ではこういうアイデアがないか。
この本でも触れていたが、自分でも考えたい。
大前さんの先日のセミナーにも通じるものがある。
別のコラムで考えてみる。
こういう本は読むべきだ!
第1章 世界中で進むアフターデジタル化
1-1 アフターデジタル概論
1-2 アジアに学ぶスーパーアプリ
1-3 量から質に転換した 2019 年の中国
1-4 インドに見る「サービスとしての政府」
1-5 米国から押し寄せるD2Cの潮流
1-6 日本社会、変化の兆し
第2章 アフターデジタル型産業構造の生き抜き方
2-1 変化する産業構造への対応
2-2 決済プラットフォーマーの存在意義
2-3 「売らないメーカー」の脅威
2-4 アフターデジタル潮流の裏をかく
2-5 「価値の再定義」が成否を分ける 続・ラッキンコーヒー VS スターバックス
2-6 第2章のまとめ
第3章 誤解だらけのアフターデジタル
3-1 日本はアフターデジタル型産業構造になるか?
3-2 来るOMO、来ないOMO
3-3 「デジタル注力」の落とし穴
3-4 データエコシステムとデータ売買の幻想
3-5 個社で持つデータにこそ意味がある
3-6 DXの目的は「新たなUXの提供」
3-7 第 3 章のまとめ
第4章 UXインテリジェンス 今私たちが持つべき精神とケイパビリティ
4-1 より良い未来、社会を作っていくための提起
4-2 人がその時々で自分らしいUXを選べる社会へ
4-3 UXと自由の精神 企業のDXが社会をアップデートする
4-4 UXインテリジェンスの企業家精神
4-5 UXインテリジェンスの全体構造 - バリュージャーニーを形作るUX・データ・AIのループ
4-6 UXインテリジェンスの基礎ケイパビリティ - ユーザーの置かれた状況を理解する
4-7 UXインテリジェンスのケイパビリティ1 - ビジネス構築のためのUX企画力
4-8 UXインテリジェンスのケイパビリティ2 - グロースチーム運用のためのUX企画力
4-9 第4章のまとめ
第5章 日本企業への処方箋 あるべきOMOとUXインテリジェンス
5-1 流通系OMOは「オペレーションとUXの両立」が肝要
5-2 接点系OMOは「ケイパビリティ調達」が肝要
5-3 DX推進に立ちはだかる壁
5-4 第5章のまとめ
あとがき 待ったなしの変革に向けて