どこか平べったく、ザラザラとした音質が
時に、のどかな休日を演出してくれたりする……。
ちいさい頃、自分専用のラジオが誇らしく、宝物だった。
家族で覗き込んだだろう、
モノクロテレビの記憶は、完全に抜け落ちている。
:
最近、はまっているチリ産ワインの赤を呑みつつ、
NHK-FMにチューニングすると
ピアノとバイオリンの生演奏を捕らえた。
『ツィゴイネルワイゼン 作品20』
この曲の厳格さ、拒絶。
容赦ない、チリワインの深い味わいと絡みつく。
あるひとが云った。
「バイオリンは、脊髄に響く」
本当にそう! 特に、首根っこの方ね?
あとで、ミニコンポでCDを聴きなおしてみたけれど
劣悪なラジオの生演奏の方がはるかに、
胸を……いえ、首根っこを掻き毟られた(苦笑)
かつて──
「安物の何が悪い? どんなもので聴こうと、音楽は音楽さ」
そう豪語した輩がいた。
冷たい視線を送りつけようとしたところ、奴はニヤリと笑った。
「後は、想像で聴けばいい」
代わりに、粗末な塊りを私は睨みつけた。
あなたが云っていたこと、あながち嘘じゃないわ。