死後のプロデュースとエンディングノート | 奈良の行政書士・やまぐちのブログ『やまとみらい日記』

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奈良市の女性行政書士山口まゆみ(司法書士・行政書士やまとみらい法務事務所)のブログです。

平成2410月に肺カルチノイドで亡くなった流通ジャーナリスト、

金子哲雄さん著の「僕の死に方 エンディングダイアリー500日」と、

奥様である金子稚子さん著の「死後のプロデュース」を読みました。




刊行当時、話題になっていた本なので、読まれた方もいらっしゃるかもしれません。

私自身、遺言書やエンディングノートの作成のアドバイスをすることが多い仕事ということもあり、

この本の存在は前々から気になっていました。

あまり書くと、ネタバレになってしまいますが、

金子さんは「エンディングノート」というものは残されていません。
(ここでいう「エンディングノート」とは、死を「終わり」ととらえて、

それまでの自分の人生を見つめ直す自分史を書き綴ったり、

死という「一点」における延命治療に対する自分の意思や、

希望する葬儀の方法などを記載しておくものです。)


金子さんが準備されたのは、

自分がお世話になった方への感謝の気持ちを表すための葬儀の準備や、

自分の眠るためのお墓の決定、その他死の「一点」だけに限らない

「死後」のさまざまな事柄についての奥様への「引継ぎ」でした。

「自分がいなくなった後、自分の代わりに

仕事やプライベートでお世話になった方へご挨拶に行くこと」

「一人暮らしにふさわしい広さや家賃の部屋への引越し」等

金子さんから奥様への沢山の「引き継ぎ」。


でも、この「頼まれ事」や「引継ぎ事項」があったからこそ、

約束を果たさなければ、という思いが生きる目標や支えとなり、

奥様は悲しみすぎずに、ご主人の死を受け入れて進んでいけたのかもしれない・・・

と感じました。

奥様の著書にある

「エンディングノートは自分のためにではなく、残される相手のために残すもの」

本当にそうですね。



それにしても、金子さんの「こちら側の世界」での生き様のなんと天晴れなことか。

お葬式は「故人との別れの儀式」だと思っていた私にとっては、

「あちら側に行く人がこの世でお世話になった人へ感謝の気持ちを伝える場」であるという

金子さんの見解に目から鱗が落ちてしまいました。


病気と闘いながらも、最期まで全力で走り抜けられた金子さん。

あちら側でもきっと忙しく情報収集に飛び回っておられるのだと思います



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