今さらながらの松葉杖 | めもり*ブログ

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事故から丸1ヶ月が過ぎた12月8日、松葉杖が処方された。

 

当初、4〜6週間で膝の装具を外すと言われていたので、このタイミングで松葉杖を使い始めることにはちょっと戸惑った。

 

とはいえ、まだ膝に痛みが残っているのも事実。

じっとしていても膝の内側(靭帯損傷しているあたり)がズキズキ、ジンジンと痛く、歩くと前面(膝下とかお皿のとことか、その上とか)もあちこち痛み出すので、「1ヶ月経ったので装具を外します!」と言われたら、それはそれで不安になったとは思う。

 

折れていた肋骨の回復(リモデリングというらしい)が順調らしく、松葉杖使用による負担の心配がなくなったというのも、今回処方された一因かもしれない。

 

▲新しい相棒

 

 

人生初の松葉杖。

理学療法士さんが身長に合わせて長さを調節してくれて、使い方を指導してくれる。

 

杖を右脇の下にセットして軽く挟み、持ち手を掴む。松葉杖って、怪我をしている側に持つのかと思っていたけど、逆なのね。

左足に負荷をかけないことが使用目的のため、右足を浮かせるとき杖に体重をかけて、杖に右足の代わりをさせるということらしい。考えてみれば、理にかなっている。

 

さて。

慣れるまでなかなか操作(左足の真横か少し先について、右足を前に運ぶ)が難しかったけど、院内でうろうろ練習するうちにだいぶ慣れてきた。そして階段を上り下りするときの快適さに感動。これがあれば、階段の上り下りも痛くない…!

 

と感動したのも束の間。

床がツルツルの院内と違って、外は路面の傾斜や段差、歪みの連続で、杖が引っかかったり、杖側が変に低くて体が傾いてしまったり…歩きにくいったらない。車椅子でも感じた広島の歩道の歩きづらさを、ここでも痛感。つら……

 

▼波打つ路面。車椅子も大変だったけど、松葉杖でも歩きづらい

▼レンガのちょっとした歪みによる凸凹が地味に負担だし、自転車も怖い

 

そしてもう一つ衝撃的だったのが、バス・電車(市電)で誰も席を譲ってくれないこと。

怪我してます!足に問題があります!!と看板を背負っているくらいわかりやすいと思うのに。これで譲ってもらえないなら、もっと目立たないヘルプマークやマタニティマークなんて、フル無視されるんだろうなと、余計なお世話ながら心配になった。

揺れる車内は怖いから、ドアが閉まるのを待ってドアと手すりで体を支えるように立っていたら、車掌さんまで「扉から離れてください」とか言うし…。ドア開閉の時はともかく、走行中は問題ないと思うのだが。コケたらどうしてくれる。

 

 

▼カニ歩きが難しい松葉杖使用者は、狭い隙間を通るのが苦手。

 カート必須だし。通路をふさいでの品出しは勘弁してほしい…。

 

▼歩道に駐停車している車も、ほんまに邪魔。

 

ケガをして車椅子・松葉杖を経験した友人が、家事の手伝いを頼んだとき家族が不快感をあらわにしたという話を聞いた。数ヶ月後、自分がケガをして、初めて自分の態度が間違っていたと気づいた家族が「あのときはごめん」と謝ってくれたそうだ。

経験してみないと、他者の痛みはわからないのかな。やっぱり。

 

脚が治ったら、公共交通機関での移動中もスマホばっかり見てないで、まわりに困っている人がいないか気にして、積極的に声をかけよう。と心に誓った。

 

リハビリも順調で、年明けには、装具を外して松葉杖も卒業予定(ノークラッチ、と言うらしい)だ。

相変わらず膝は腫れていて(腫れではないのかもしれないけど形が右膝と違っていて)痛いけど、着々と、元通りの生活に近づいている。普通に歩けることの素晴らしさ、快適さが、今は本当に恋しい。