やはり、二年続けての。
連休取得は、無理だった。
何のための、有給休暇だ。
「無給で構わないので、お願いします」
希望休暇が、認められない。
名前ばかりの夏休みじゃ、意味がない。
「じゃぁ、せっかくだから気兼ねなく…」
冗談とも、本気ともわからない。
部長の口角が片方だけ、かすかに上がる。
「しばらく、長期欠勤扱いにしておく?」
今年から祝日が、一日増えたことも。
影響しているのかも、知れない。
「というわけだから、今年は日帰り」
朝イチの、飛行機で飛び。
昼公演を、堪能したあとは。
後ろ髪をひかれながら、帰路に就く。
君が、パワフルな2時間半を終えた後。
よく動く両手と、大きな口が興奮する。
自身の、抑え切れない高揚感を。
追い越したい程の早口で、まくし立てる。
その白い歯と、じれったい表情を。
見せてもらえると、思っていたのに。
それでも、日々の小さな幸せは。
自分で意識して、見つけなくちゃ。
久々に入った、ランチのお店で。
突然、有線放送から流れてきた。
君たちの、デビュー曲。
動揺する右手の箸先に、集中しながら。
挙動不審な、動きをしていた OL は。
私です。
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『中島健人くんへ 敬意を表して』