山本おさむ『父を焼く』を読んだ。 | 迷えるオッサンの老惨禄

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チェンマイ18年の日誌を中心にやってきましたが、2021年9月帰国、タイトルを変更したいました。

山本おさむ『父を焼く』を読んだ。

 

 

先日、東京新聞で上記の本『父を焼く』が紹介され・・私自身の今際の現況と一致した衝撃的題名に惹かれて興味を持ち、亀戸唯一の新刊本屋で注文、本日購入した。

 

「いま目の前にある『老い』を生きる新漫画レーベル第一弾!!!』とキャッチコピーにあるように、これは小説ではなく所謂オトナ向け漫画(劇画)で、わが学生時代に流行ったガロ風の漫画復活かと期待したのである。

 

で早速読んで見たが、「私は父(このひと)を心の中で何度も殺した。」

 

・・・との扇情的コピーに象徴されるような意味深かつ辛辣な根暗調劇画の連続で・・・・、ガロでつげ義春が描いた詩情あふれる言葉や郷愁を唆る景観美は皆無であった。、

 

孤独死で他界して10日間放置された父の死体に群がる蝿や蛆虫の大群など・死臭まみれの不快極まる無惨な悍ましい景観のみが長く脳裏に残存している。

 

呑んだくれで仕事もせずわずかの生活保護費まで酒に変えてDV暮らしの父、救いようはゼロに見えるが息子を殴ったことは一度もなく、唯一殴ろうとした場面で自重した父に『親子だもの』の甘い言葉だが、成長した息子の倍返しを恐れたに違いない。

 

そして最後は父母の骨を持ち帰り・・近くの寺の無縁共同墓地で樹木葬・・・奇しくもオッサン(私)と全く同一の選択であった。

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嗚呼・・・・ちゃんちゃんちゃん