バースコントロール(避妊)の進化 Part 3 | mayas-bilingual-blogのブログ

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 男性のバースコントロールが存在しない理由

 

 

 

なぜ、避妊は女性の責任でなければならないのか?

なぜ、男性が医学界や製薬業界を支配しているのか?

 

ある意味、現在の避妊の仕組みは、女性をもっと苦しめているように感じます。

女性の地位向上により男女平等の社会になったというレトリックによって、女性の苦しみや負担が見逃されてしまっているのです。

このレトリックは、女現状に満足し感謝すべきであるというメッセージを女性に送り、その結果、不妊薬の不満や改善点を沈黙させることさえあるのです。

 

1944年に、女性がリプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)を勝ち取ったとき、女性は生殖能力を自分でコントロールすることが可能になり、男性に頼る必要がなくなったと感じました。男性も避妊に責任を持つべきだと分かっていても、女性に任せることに慣れてしまっているのです。

 

妊娠を防ぐという肉体的・精神的責任を女性が負わなければならない理由の一つは、男性の避妊の選択肢がコンドームと精管切除に限られているためです。     

 

妊娠した場合の負担が大きい女性にとって、理想はコンドーム以外の対策があって欲しいものです。

女性の生殖システムは周期的であるのに対し、男性は常に精子を生産しているため、男性の避妊法の開発は女性よりも複雑です。

女性はピルを飲み始めるとすぐに排卵が止まり、妊娠を防ぐことができますが、男性は精子を蓄え、常に補充している状態なので、避妊の効果が出るまで3〜6ヶ月かかることもあるのです。

 

男性用ののバースコントロールの研究・試験が失敗し続けている理由は、まさに女性たちが不安を募らせているもの:副作用のためです。2016年の研究で、注射型の効果的な男性用バースコントロールが見つかりましたが、男性が脱落し、監督する医学委員会が副作用を心配したため、研究は中止されました。

その副作用とは、にきび、注射部位の痛み、気分変動、性欲増進などです。それに比べ、女性用ホルモン剤の副作用は、ニキビ、乳房痛、吐き気、嘔吐、頭痛、下痢、体重増加、めまい、斑点、性欲減退、疲労、気分変動、不安、うつ、膣炎、さらには血栓やがんのリスク上昇といったより深刻な症状も含まれます。

 

ピルの副作用の多くはまだ完全に解明されておらず、科学者たちは今ようやく、避妊をしている女性のうつ病について真剣に考え始めているところです。私たちの文化は、男性に苦痛を与えるよりも、避妊のために女性に苦痛を与える方が簡単にできてしまうのです。

 

精液のないオーガズムを可能にする男性用避妊薬「クリーンシート」ピルの研究も、射精が「男らしさ」や男性の性欲を構成する重要な要素と見なされ停滞しています。

 

女性の場合避妊をしないリスクは妊娠なので、副作用も許さずを得ないですが、男性の場合避妊をしないリスクはないため、軽い症状の副作用であっても "deal breaker"(無視できない)とみなされてしまうのです。