『あなたの言葉を』辻村深月さんの本を読んで | センター長のつぶやき/マヤ暦・アドバイザーサポートセンター

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今日は6月5日。

K228で、「白い風」の期間も7日目の折り返しの日を迎えました。

 

「白い風」と言えば、メッセンジャーの紋章。

 

読んでくださる方へ、僕からお届けできるメッセージとして、今日は最近読んだ本を紹介させてもらいます。

 

 

紹介するのは、辻村深月さんの『あなたの言葉を』。

辻村さんが「毎日小学生新聞」に月に一度連載されている記事をまとめられた本で、約2ヶ月前に出版されました。

 

 

たまたまSNSで見かけたのをきっかけに読んだ本ですが、とってもよかったです。

 

もともと「毎日小学生新聞」に寄稿された記事なので、文章の対象は小学生。

だから、難しい言葉は使わずに、わかりやすく丁寧に綴られていて、それが大人の心にもすーっと入ってきました。

 

記事の連載が始まったのは、2020年4月。

数字を見るだけで、僕らはハッとします。新型コロナウイルス対策で全国一斉休校になった、あのタイミングです。

 

ただでさえ、親の目、先生の目、友だちの目を気にしながら、正直な気持ちをさらけ出すのをためらう子ども時代。

そこに、先の見えない不安が急にのしかかってきて、戸惑いが大きかったはず。

大人だって、困惑してたから。

 

辻村さんは、作家として、子ども時代を経験したことがある大人として、そういう気持ちを敏感に察知して、寄り添うように言葉を重ねられていました。

 

 

越川代表も、講演会や講座を通じて、気持ちを尊重する大切さを語ってくださいます。

目的や理由も大事だけど、それよりも気持ちを大切にする。

そのバランスを意識して過ごしましょう、と。

 

本の中では、辻村さんがある秋の日に文学館に出かけたエピソードが語られています。

 

まだ終わっていない仕事のことで頭がいっぱいだったけど、見たいと思っていた展示がその週末で終わってしまうから思い切って出かけたそうです。

家を出る直前までバタバタで、こんな気持ちで展示を楽しめるのか、出かけなければその分仕事がはかどるはずなのに、と悶々としていたと書かれています。

 

でも、文学館に着いて、散歩しながら触れた光景に、ちょっと無理をしてでも出かけてよかったと感じられたとのこと。

 

一部引用して、紹介しますね。

忙しくてたまらなかったはずなのに、それを一時忘れて見渡す風景は、私をとても豊かな気持ちにしてくれました。色があることを忘れていた世界に鮮やかな色彩があったことを急に思い出したような、それくらいの「発見」だと感じました。
(中略)
仕事をすれば、それは確実に「意味があること」になるし、時間をそれに費やした分だけ作業は進む。だけど、あの一日の「意味があるかどうかわからない」散歩の時間は、今思い出してもその景色の美しさにため息がでるほどで、すぐには役に立たないかもしれないけれど、この先何度も思い出す体験になったと今も思います。

 

 辻村深月 著『あなたの言葉を』毎日新聞出版/p.201~203より引用

 

もちろん、仕事が大事ではないと言いたいわけではありません。

とても重要です。

子どもにとっての勉強もそうだと思います。

 

その時に、気持ちを置いてけぼりにしないでいたい。

自分の気持ちも、周りの人たちの気持ちも。

 

 

「白い風」7日目の今日。

日中の日差しはだいぶ強くなってきましたが、開けた窓から入ってくる風には心地よい涼しさを感じます。

 

忙しい時こそ、意識してひと呼吸おいて、気持ちに向き合いたい。

 

ちょっと長めのつぶやきでした。

 

 

ではまた、お話ししましょう。

 

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