いよいよ、宇宙のはじまりの物語も今回で最終章です。

 

前回まではこちら下矢印

 

 

 

 

 

 

前回は、
「わたし」と外側の世界をつなぐもの、
感覚器官についてのお話でした。

 

 

そして何より重要なのは、
「感覚器官があるから、外側からの感覚を受け取る」
という順序ではなく、
「そもそも音や色といったエネルギーがあったことで、
各々に対応する感覚器官が生まれた」こと。

 

 

先に「色」という精妙なエネルギーが存在し、
それを「わたし」が見るために、
目や視神経がもたらされたということ
です。

 

 

このように、
「わたし」が外側の世界から何かを感じるとき、
そこに「感覚」が生まれ、
「わたし」が外側の世界に何か作用するとき、
そこには「行為」があります。

 

 

さて、その「何か」とは、
それこそが物質です。
さらにこの物質のもととなるのが
五大元素といわれるものです。

 

 

五大元素とは、
空・風・火・水・地

 

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五大元素

 

アーユルヴェーダでは、
万物はこれら5つの元素から成る、
と考えます。

 

 

さらに、この
5つの元素を生み出したのもまた、
5つの精妙なエネルギー体である

とアーユルヴェーダはいいます。

 

 

前回も出てきましたが、
音・触・色・味・香という
5つのエネルギー体、「タンマトーラ」。

 

 

5つのタンマトーラが先にあり、
そしてその5つ各々に対応する感覚と
感覚器官が生まれたということ。

 

 

例として、タンマトーラのひとつ、
「色」という精妙なエネルギーに対して
「鮮やかさ」や「淡い」などという感覚と、
「見る」という行為を行う感覚器官が
生まれたわけです。

 

 

さて、このタンマトーラこそが
五大元素をも生み出しました。

 

 

音のタンマトーラ(空のエネルギー)からは
空の元素と聴覚が、

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音のタンマトーラ

 

 

触のタンマトーラ(風のエネルギー)からは
風の元素と触覚が、

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触のタンマトーラ

 

 

色のタンマトーラ(火のエネルギー)からは
火の元素と視覚が、

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色のタンマトーラ

 

 

味のタンマトーラ(水のエネルギー)からは
水の元素と味覚が、

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味のタンマトーラ

 

 

香のタンマトーラ(地のエネルギー)からは
地の元素と嗅覚が生まれたのです。

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香のタンマトーラ

 

 

このように、感覚はもちろん、
五大元素でさえエネルギーから生まれたということ。

 

 

すべてはエネルギーから成り立っているのです。

 

 

こうしてプルシャからはじまり、
いくつかの段階を踏んで
五大元素が生み出され、
そうして目に見える物質
=わたしたちの肉体も生まれていきます。

 

 

これはまた生命のはじまりの話として、
少しずつ記していきたいと思います。

 

 


 

 

わたしたち人間は普段、
「わたし」が肉体を持ち、感覚器官をもち、
様々な感覚を味わっている、という
「わたし」がすべてを支配しているような
傲慢ささえ、実は内包しているのかもしれません。

 

 

でも肉体をまとう「わたし」は、
すべての物質と同じように
元素から成り、エネルギーから成る、
広大な宇宙のほんの一部。

 

 

そこには優劣も勝敗も、何もない。
わたしたちはただ、知りたかった、感じたかった。
ただそれだけのために生まれた。

 

 

それに気づいたのなら、
「わたし」は純粋な存在であったということを、
ただ信頼して、すべてを託すだけ。

 

 

そのことを怖がる必要はありません。
いずれわたしたちはまた、
ひとつの魂へと還っていくのだから。

 

 

何かを支配する世界を抜け出したとき、
これまで見たことも、考えたこともないような、
もっと自由で広大な景色が広がっているのです。