霊性について

この記事は10/1から開催する月例一斉ワーク「プシュケー(いのち、こころ、たましい)の癒し」の参考記事です。ワークのご案内はこちらです。

『【ご案内】2021年10月月例一斉ワーク「プシュケー(いのち、こころ、たましい)の癒し」』いにしえの人々は、人は血肉や骨のみにあらず、肉体にプシュケーが宿った存在であると考えていました。プシュケーは「息、息吹、呼吸」という意味の古いギリシャ語です。…

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【霊性とは】　※加藤の一考察です　※今のところはこんな風に考えています。

■霊性とは、神様(宇宙、自然、源、おおもと、全生命)から分かれて人に宿っている神性で天性な質。神様とつながっているまごころ。いのちによる霊的なまなざし。いのちが感じていること。霊感、霊能力は霊性に含まれるがイコールではない。※ここでのまなざしとは知性や感性、感覚などを広く含んだ意識を指しています。

【霊性について】　

■いのちと霊性は一緒に働く。霊性はいのちの感じ方そのものなのかも。
■霊性とは、「私のいのちは全てにつながっている」と有形無形全てを愛おしく観ているまなざしである。このようなまなざしはその人が無心で無分別智であればあるほどより明晰に発揮される。※無心…邪念がない　※無分別智…小賢しさがない
■霊的なまなざしによって色、音、形を超えたもの、言いあらわせないもの、本質的なものを見通せる
■叡智(なぜか分からないけど知っているという知性)と霊性は一緒に働く
■魂は霊性のその人らしいありよう。魂には人生にさまざまな何かを持ち込む引力がある

【霊性について考えるヒントになるかもしれない本】

「サンタクロースっているんでしょうか？」東逸子(イラスト)中村妙子(翻訳)　偕成社
子ども向けのクリスマス本にしておくにはもったいない、素晴らしい絵本。愛や真心、おもいやりなど目には見えない、それらの存在を証明できないものをいかに信じるか。それらを想像し、それらが在ると信じるまなざしこそがこの世界の向こう側にある例えようもなく美しく輝やかしいものを見せてくれる……。毎年クリスマスに読んで「あぁそうでした……」とその年1年の自分を悔い改めたい。いろんな装丁の絵本が出ているけれど、私は東さんのイラストがやっぱり好きです。

「センスオブワンダー」レイチェル・カーソン新潮社
センスオブワンダーとは神秘さや不思議さに目を見はる感性。霊性とはセンスオブワンダーな感性とも言えるかもしれません。自然の中に美しさ、神秘さを見いだすには、自然とつながっている自分のいのちをイキイキと働かせることが必要なんだと思います。

「子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。」
「子どもと一緒に自然を探検するということは、まわりにあるすべてのものに対するあなた自身の感受性に磨きをかけるということです。それは、しばらくつかっていなかった感覚の回路をひらくこと、つまりあなた自身の目、耳、鼻、指先のつかいかたをもう一度学び直すことなのです。」

「日本的霊性」鈴木大拙　岩波文庫など
日本人は鎌倉仏教を経て日本的霊性（精神の奥に潜在しているはたらき）に覚醒したと書かれた本。その象徴的人物例として妙好人を紹介しています。妙好人とは名もなく学もない浄土宗系の篤信者です。私がこの先なれるとしたら、この妙好人みたいな感じ？と前々から感じていて、このブログでも何回か言及しています。この本は何度も再読していて、本から学んだことを一斉ワークの意図に組み込んだこともありました。
霊的にいい人
 【一斉ワーク御礼】能登の寺社めぐり
 アファメーションカード、残り20枚ぐらいになりました

「別冊ＮＨＫ100分de名著「日本人」とは何者か？」NHK出版

中沢新一さんによる「日本的霊性」の解説。私が「日本的霊性」に興味を持ったきっかけです。

「日本霊性論」内田樹釈徹宗　NHK出版新書
鈴木大拙「日本的霊性」を分かりやすく解説してくれている。内田さんの霊性の説明や具体例も分かりやすいです。

「愛されている者の生活―世俗社会に生きる友のために」ヘンリ・ナウエン　小渕春夫　あめんどう
ヘンリ・ナウエンはノートルダム大学、イェール大学、ハーバード大学で教えた神学者でありカトリック司祭。宗教や霊性に懐疑的な若い友に「霊的生活とは何か」と問われて書いたメッセージ。「愛されている者になる」「愛されている者として日々の自分の考え、会話、行いを通じて生きていく」という言葉がキリスト教者ではない私もすてきだなと思います。霊性って、霊的まなざしに裏打ちされた日々の生き方、生きる態度としてあらわれると思います。すごい奇蹟や癒しが起こせるとかではなく。というか、奇蹟や癒しはそこらへんでしょっちゅう起きているのでは。

「私の言いたいことは「あなたは愛されています」という一言に尽きます。私がもっとも願っていることは、愛のみが持つやさしさと力強さに満ちたこの語りかけを、あなたが聞き取れますように、ということです。私のただひとつの願いは、この言葉が、あなたの存在のすみずみにまで響き渡るように、ということです。あなたは愛されています」
「私たちに求められているのは、ありふれた日常的な自分という存在が、「愛されている者になる」ことです。愛されている者になるということは、天から啓示された真理を自分の生活によって、すなわち、日々の自分の考え、会話、行いによって、日常化していくことです。」

「私の霊性」服部みれい　平凡社
私は靴下の重ね履きだけ十年以上やっています。「murmur magazine」も重ね履きを始めた頃読んでました。この本は著者なりの「私の霊性」がいろんなトピックスで考察されていて、自分にとっての霊性について考えるヒントになると思います。

「日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ」森下典子　新潮文庫
「日日是好日」は映画にもなりましたよね。「典奴さん、お茶やってたの！」とビックリしました。私はお茶は全然分かりませんが、読んで「茶道の真髄はもしかしたらこういうことなのかも」と言葉を超えた何かが分かった気がしました。教わること、教えることについての示唆にも富んでいます。

「光を放つ子どもたち　トランスパーソナル発達心理学入門」トーマスアームストロング　日本教文社　※2021/09/25追加しました
霊性という意識領域を取り扱う心理学がトランスパーソナル心理学だと私は思っています。この本はトランスパーソナル心理学と発達心理学をかけ合わせたトランスパーソナル発達心理学の入門書。今、このトランスパーソナル発達心理学が研究テーマとされているのかどうかは私は分からないです。しかしテーマは面白いし、著者の研究態度は真摯だと思います。子どもたちの超越的体験を取り上げているけれど、今よく出版されている本と比べて浮ついた感じがないです。

著者によると子どもの発達には2つの成長の方向性があり、1つが「肉体から上昇する」成長、もうひとつは「スピリットから下降する」成長だそうです。この説はチャクラやオーラ、ヒーリングなどに詳しい人はうなずけると思います。私も確固たる理由はないですが、そうなんじゃないかと思っています。そしてこの2つの成長進化の方向性は子どもだけではなく、大人になってもそうなんじゃないかと私は感じます。

「神智学者のジョージ・アランデールは「子どもには、あなたに見えるよりも、はるかに多くのものがひそんでいる」と述べている。子どもにひそんでいるより大きな何かとは、「発現無意識」や「魂の高次の器」や「大いなる自己」などと呼べるものである。しかしこのより大きな本性をどう呼ぶにせよ、ここで大切なのは、それはたんなる言葉のレベルを超えた生きた実体にほかならないということだ。この点をしっかり認識すると、子どもを新たな次元で尊重できるようになり、彼らの言動のなかに、いままで見えなかったものが見えるようになるだろう」

「カリール・ジブランは、子どもについて「彼らはあなたをとおしてやってくるが、あなたから生まれるのではない」という有名な言葉をのこしているが、本書ではこの言葉に経験的な裏づけが与えられている。たしかに子どもの物理的・生物的身体は両親の遺伝コードを受け継ぎ、母親の肉体から生まれてくるし、子どもの身体や感情や知性は、親子関係や文化の広範な影響のなかで育まれる。しかし子どものスピリットや魂は、どこかほかのところからやってくる。子どもの魂は、たしかに両親との身体的・感情的・知的関係にも一部かかわっているが、その関係にのみ属しているわけではなく、はるかに広大な永遠普遍ですらある枠組みのなかで存在している。」

……まぁ、このような説は都合良く利用される場合もあるんですが、さっきも言ったとおり、子どもだけが素晴らしい存在なのではなくて、人はいくつになっても高次の意識は失われていないと思います。肉体を有していながら、スピリット(霊性)や魂は永遠普遍な枠組みのなかで存在しているのはみんなそうだと思います。

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