無に満たされるということ

2月半ばに私が生まれた病院を訪ねてみました。私は難産で、生まれたとき仮死状態でした。母が「あの病院じゃなかったら、まやは生きてなかったかも」と言ったことがあり、いつか行ってみたいと思っていました。その病院はカトリック系の総合病院でした。約80年以上の歴史があり、本館は歴史的建造物に選定されていました。敷地には教会、マリア像とルルドの泉、聖フランシスコの庭もあり、総合病院と言うより修道院のような場所でした。

教会でお祈りをしているうちに、なぜか分からないけれど涙が自然とあふれてきました。「しんどいこともたくさんあったけど生まれてきてよかったです。ありがとうございました」と思わず御礼申し上げました。ここは、今生で私が初めて優しくしてもらった場所なんだなと感じました。

あのとき、何か神聖なものに心を打たれ、満たされた気がしました。そのときの余韻が今もどこかにある気がしています。「あれは一体何だったんだろう」と何日か考え続けた末、「満たされた無」「何かに充ち満ちている無に、あのとき満たされたのではないか」と感じました。

いつもお世話になっているSVにお話しすると、「そういう境地は言葉では到底言い表せないし、知らない人に説明しても分かりません。ですが一度それを経験すると分かるんです」「そうですね、無です。自分すらいなくなって魂だけになるような。無私であり、無に満たされているんです」「人々はそういう感性を元々持っていたんです」「シャーマンはその状態でワークをするといいですよ」と教わりました。

あのとき私が感じた「満たされた無」とは、神聖な何かに充ち満ちている無（真空）でした。「自然の原理」「自然の真理」あるいは「生命の神秘」などということもできるのかもしれません。「それ」に触れたとき、自然界に途方もなく受け容れられ、満たされた気がしました。「無に満たされるために何かをする必要はない。もう満たされていると分かるだけでいい」「私は生まれたときからずっと受け容れられていた」「今までもこれからも生きているだけでいい」と知らされた気がしました。

春分の日に行う一斉ワークは、このような経験を分かち合うために行います。当日、私が生まれた病院の敷地近くで「春の光のワーク」を行います。

一斉ワーク「2019年春分春の光のワーク」

一斉ワークの概要がおおむね固まった日、近所の書店へ本を買いに行きました。お目当ての本を買おうとして、その隣にあった本が目に入りました。ヤマザキマリさんの新刊本でした。ヤマザキマリさんの本は何冊か買ったことがあり、映画「テルマエ・ロマエ」も観に行きました。その新刊本ではマリさんのお母様のことを書いたようでした。興味を持ったので一緒に買って帰りました。

早速読み始めたところ、驚きました。マリさんは私が生まれたあの病院で生まれました。私よりも1年くらい前に。神様に「あの場所でおやりなさい」と言われたような気がしました。「このワークはもう始まっているんだな」と思いました。神様のお計らいのままに今回も粛々とさせていただこうと思います。心惹かれる方のご参加をお待ちしています。

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