2月11日、歌手のホイットニー・ヒューストンが亡くなった。
48歳という若さだった。
1985年にデビューして以来、ヒットソングを世に放ってきた歌姫に一体何があったのだろうか?
1992年12月に公開され、翌年の’93年に世界中で大ヒットとなった映画「ボディガード」
映画の挿入歌「Always love you」は、全世界で4000万枚をセールス!
1993年は、ホイットニーの年といっても過言ではない。
実はこの年は、僕にとっても大事件が勃発した!
バブル期に都心の渋滞を緩和するため計画され、’93年に完成したレインボーブリッジ。
この年はバブルが崩壊し、銀行や証券会社が倒産するなど、底なしの景気低迷期へ入っていく。
そんな折、僕は人生初めての離婚をしてしまった。
前年の’92年の春頃から離婚話を切り出され、散々もがき苦しんだ末での決断だった。
離婚の原因は、彼女に好きな男性ができたことだった。
しかも離婚のゴタゴタから、仕事が手につかなくなって、制作会社を辞めてしまっていたので、
無職のバツ1という過酷なスタートを切ることを余儀なくされていた。
制作会社にいたころは、Vシネマや音楽PV,企業VPなどの仕事が中心で、番組自体は、
ほとんど経験していなかった。
映像関係の仕事なら何でもいいからやりたい、僕自身映像に渇望していた。
ほどなくして、テレビの仕事が舞い込み、本格的にディレクターの世界へ進むことになる。
そのとき28歳。
おそらくこのころ、映画館で「ボディガード」を見たはずだ。
映画の内容は、はっきり言ってどうでもいいような感じだが、挿入歌だけは良かった。
あまり知られてないことだが、レイチェル・マロン(ホイットニー)とフランク・ファーマー(ケビン・コスナー)が
初めて二人でデートするときに、フランクの行きつけのバーに行くシーンを覚えているだろうか?
その時に、男性ボーカリストが歌う古臭いカントリーミュージックが流れる。
実はこの曲が「Always love you」である。
男性が歌うから、もの凄くしめっぽい感じの曲に聞こえ、パッとしない感じだった。
そして、ラストシーン空港に見送りに来たフランクを見つけたレイチェルは、飛行機から降り、彼の元へ
走っていく。
そして流れるのが、二人でデートしたときに流れた「Always love you」である。
デビッド・フォスターのアレンジとホイットニーの美声で見事に生まれ変わる。
二人のデートの時に流れた思い出の曲として伏線を張り、最後に感動的に流す。
アメリカ映画の常套手段である。
離婚をしたばかりの自分にとって、こんな安っぽいラストシーンなんてありえない
と、卑屈になりながら見た記憶がある。
もしかしたら、ケビン・コスナーが出演した最後のヒット作ではないだろうか?
この後彼は、主役から脇役にまわり、最近ではまったく見なくなってしまった。
この映画の成功により、富と栄光を得たホイットニーだったが、その後ドラッグに溺れ、
自滅していった。
映画の中では、彼女を狙うストーカーまがいの外敵とボディガードの戦いだったが、
現実は、外敵なんかじゃなく、内なるものに秘めたドラッグとの戦いだったならば、なんて皮肉なことだろう。
人生の中で本当に輝けるのは、ほんの一瞬だ!
クイーンズオアブポップの急死というニュースに触れ、そう思わざるを得ない。
とにかく、ホイットニー一色に染まった1993年は、自分にとってもリスタートの年でもあった。



