死を受け入れる | 知奈津のブログ ~Open Heart~

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どこにいてもここにいる

一瞬に、
毎日に、

ありがとう

本の中で「死」について書かれた章を読んでいて、思ったこと。

 

 

この2か月ぐらい、ひとりで散歩、ジョギングしている時に

どうしようもない不安や虚しさ、そんなものを感じて、

涙することがけっこうある。

 

それは、感情として〇〇と名前をつけることができないぐらい

複雑な感じでもあるんだけど。

 

 

あるとき、ラジオで、

 

「涙」はサンズイに戻(もどる)

「泣」はサンズイに立(たつ)

 

涙を流すことで自分に戻って、

泣くことで人は立っていく。

 

そんなことをきいて、そうかもなぁって思ったりもする。(余談でした)

 

 

 

 

 

 

なんで涙が出るのかなんて、そこには理由もなく、

ただ流れてくるからって感じもするけど、

 

ひとつ思ったのは、

 

今まで自分が自分だと思っていたもの、

すべてだと思っていたもの、

これがないと困るって思ってしがみついていたもの、

なんとかバランスをとって安定を図ってきたもの、

 

そんなものが崩れ落ちて、

それらがもう役に立たない、意味をなさなくなって、

 

自分というものにぽっかり穴が空いたように感じている。

自分にはなにもなくなった。って思ってる自分がいる。

 

頭で理解しようとして、

そんな虚無感を感じないように避けてきた自分がいるなぁって。

 

 

それがたとえ苦しみ、自分にとってなんらかの足かせだと思えても、

長年わたしと一緒にいて、わたしだと思ってきたもので、

頑張って築いてきたもので、慣れ親しんだもの。

 

それがなくなることが悲しい、痛いと思ってるんだなって。

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜか、同時にICUで担当した患者さんのエピソードを思い出した。

 

 

朝出勤し、自分の担当患者さんを確認したら、

昨日はいなかった新しい知らない患者さんで、

お餅をつまらせて救急搬送されたおじいさんでした。

 

もう長くはない。

わたしがお見送りすることになる。

そんな覚悟で、夜勤ナースから引継ぎを受けたわたし。

 

付き添いの家族は、

わたしが引継いでしばらくすると、

 

「どうしてこうなってるんですか?先生からこんな風になるなんて説明はされていない。

もう助からないの?」

 

責め立てるような口調でわたしに向かってこう言いました。

 

当時2年目のわたしは、わたしに言われてもな...と思いながらも、

 

突然の事故で死ぬということを受け入れられない家族の気持ちは読み取れたので、

「そうだったんですね」とだけ言って、それ以上なにも言えませんでした。

 

言わない方がいい、言わなくていい。

と、なんとなく思いました。

 

 

 

 

 

 

ご臨終を覚悟していたわたしは、

 

孫とかも含めて会いたい人に順番に面会してもらうように段取りしたり、

やるべきことをただやっていると、

 

当初は取り乱していたご家族も、次第に落ち着いていくのを感じました。

 

 

そして、家族がその患者さんが好きだったこと、人柄について話始め、

 

とうとう亡くなるときには、

 

「でも、この人自分が亡くなることわかってたかもしれない。

めったに会わない人に最近よく会いに行ってたし、

今思うと挨拶しに行ってたのかもね。不思議よね。

孫の結婚式にも出れたし、本人なりに幸せだったかもね」

 

 

そんなお話をしてくれました。

 

 

普段は看護師だけでエンゼルケアをするのですが、

そのときのひらめきで、家族に身体拭きや着替えよかったら一緒にやりませんか?

とお伝えすると、やりたいですと言って、

 

そのおじいさんは、

みんなに見守られながらきれいになって帰っていきました。

 

 

 

 

今日15歳を迎えたわんことまじかるクラウン
 

 

 

人は、「死」に向き合って、

受け入れることで前に進めるのかもしれない。

肉体の死に限らず、物事や経験の終わりについても。

 

 

そのプロセスで感じるどんな感情も感じて、受け入れることで、

自然と手放すほうに向かっていくような気がする。

 

 

 

日々「死ぬこと」を学ぶなら、

わたしたちは、真に「生きる」人生へと、

ドアをひらくのです。

by エックハルト・トール

 

 

結果的に読むのに2ヶ月、ゆっくり読んだ  本ではない本。
 

 

 

星募集中です

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