読売新聞より転載
県内で、今年に入り特殊詐欺の被害が大幅に増えている。県警によると、1月~今月17日現在だけで、昨年1年間の被害額(59件、3億600万円)に迫る17件約2億6300万円の被害が発生している。3月だけでも6件、約1億7000万円に上り、県警は、「特殊詐欺被害防止警戒注意報」を発令するなどして警鐘を鳴らしている。(菊池真司)
今月6日、県内在住の50歳代女性が、昨年3~12月、数字選択式宝くじ「ロト6」に絡むギャンブル必勝法の詐欺で計約1億5000万円をだまし取られる被害に遭っていたことが発覚した。
県警によると、昨年3月、女性の携帯電話に男が「情報源から聞いた当選番号を教える」などと持ちかけてきた。男は、同宝くじの購入締め切り後、新聞掲載の前日にインターネットで、当選番号が発表される制度を悪用。インターネットで知った当選番号をこの女性に教え、翌日、新聞で確認させる手口で信用を得た。女性は、でたらめな番号を教えられ、情報料として数十回にわたって、30万~2千数百万円を振り込みや郵送で支払った。一度もくじに当選することはなかったが、「情報元に反政府勢力がいた」「次は絶対に(当たるので)大丈夫」などと言われたため信じ込み、金を送り続けたという。
1件のみで約1億5000万円の被害は県内では過去最悪となる。捜査関係者も「被害防止策を進めてきたはずなのに、『なぜ…』という感じ。あまりの(被害の)大きさに衝撃を受けた」とため息をつく。
身内などを装って現金をだまし取ろうとする「オレオレ詐欺」も後を絶たない。今月3~11日、60~80歳代の女性6人に不審な電話があったことが確認された。このうち、高知市内の70歳代女性は、息子を名乗る男から「友人が株取引で失敗し、自分が保証人になっているため、1000万円が必要になった」などと言われ、郵送で700万円を送ってしまった。
被害者の多くは、平穏に暮らす普通の市民だ。突然、偽の電話が舞い込み、冷静さを失って相手の話を信じ込み、ついついだまされてしまう。法政大の越智啓太教授(犯罪心理学)は、「身内の窮状や巧妙なもうけ話などを聞くと、警戒心が薄れてしまうのだろう。そんな人間の弱点を的確に突いている」と指摘。その上で、「日頃から家族や地域の人々とのコミュニケーションをしっかりとり、いざという時に相談できるようにしておくことが一番の被害防止策になる」とアドバイスする。
◆特殊詐欺 親族や警察官を装う「オレオレ詐欺」や、税金や医療費などが戻るとだます「還付金詐欺」、架空の株取引や社債購入の代金を支払わせる「金融商品取引名目の詐欺」など8種類の手口の総称。うち、「オレオレ」「還付金」など4種類は「振り込め詐欺」に分類される。
(2014年3月20日 読売新聞)