まきしま日記~イルカは空想家~ -35ページ目

まきしま日記~イルカは空想家~

ちゃんと自分にお疲れさま。

SNSに迷惑行為や軽犯罪行為を投稿して炎上する若者、俗に言うバカッターやバカスタグラマーが後を絶たない。彼らは大抵本名や住所、学校や職場までもが特定され悲惨な末路を辿る訳だが、そんな彼らは言う、別に非難する者に直接迷惑をかけた覚えはないと。しかし誰にどの程度迷惑をかけたかなど関係ない。彼らは人間心理あるいは群集心理に対する、理解力または想像力があまりに欠如しているように思えるのだ。

 

例えば水戸黄門然り、ウルトラマン然り、ドラゴンボール然りと人はとにかく勧善懲悪が大好きだ。勧善懲悪の舞台に必要なのは3者、観衆と正義の味方、そして悪役である。このうち正義の味方は求めるまでもない、人は大なり小なり、皆が皆自称正義だ。一方で希少なのが悪役であり、観衆は日頃から目をぎらつかせてこれを探している。そんな中で浅はかにも自己顕示欲から露悪する者が現れれば、後は観衆の拍手喝采の中、悪者退治ショーの始まりである。これがネットリンチの実態なのだ。

 

警察や司法に為し得ぬ正義を代行する、IT勧善懲悪社会。そんな中で悪役と見なされることがどれほど危険であるか、SNSを利用する若者は常に考えて行動してほしい。

わりとネットで頻繁に見かけるのが、実は頭が良い人・IQが高い人の特徴を紹介した記事だ。それは例えば話し方が論理的で分かりやすい、問題解決能力が高い、リーダーシップを発揮するのが得意であるなど、概ねポジティブな項目がまとめられている。

 

しかしそれらの特徴は、捉え方によっては誰にでも当てはまると思うのだ。ならばその項目を見て自分が該当すると感じた人は、実は頭が良い人ではなく自己肯定感が高い人ではないだろうか。

俺は相当に運動神経が悪い。それに初めて気付いたのは大学に入ってからだ。友人の付き合いでテニスとスノボを始めたのだが、これが実に覚えが悪かった。同時に始めた友人たちの中で誰よりも上達が遅く、途中からは完全にお荷物扱いだ。まさにこれが俺にとって、嫌な意味で自分再発見だった。

 

ではなぜ俺は大学に入るまで、自分の運動神経の悪さに気付かなかったのか。それは身体能力がそこそこ高かったからだ。体育のスポーツテストでは中の上程度の成績を残し、サッカーやバスケでも人並み以上には活躍出来た。走力や瞬発力、筋力といった体力的なアドバンテージにごまかされ、ボールを扱う不器用さには周囲も自分も全く目が行かなかったのである。

 

運動能力を決める要素は、運動神経と身体能力である。10代や20代でスポーツをするなら、物を言うのは身体能力だ。しかし30歳を過ぎて、体力が落ち切って以降の生涯スポーツを考えるなら重要なのは運動神経の方だろう。仮に今俺がサッカーをしたとして、ダッシュやターンのキレを完全に失った自分がどんな散々な目に合うのか、想像するだけで恐ろしい。

最近、糖質カットのビールのCMをやたらと多く見かける。俺はあまりアルコール類を好まないので、そこまでしてビールが飲みたいかと思ってしまうが、何にせよ自分の健康を気遣い体調管理をすることは、俺ら中年の責務であろう。

 

しかし糖質カットのビールのCMにおいて、唐揚げやピザとの相性が抜群であることを押し出すのは本末転倒ではないか。それならば普通のビールと枝豆か冷奴で晩酌をした方が、糖質も脂質も遥かに潔くカット出来ると思うのだが。

FIFAランキングがどうも疑わしい。サッカーの各国代表の強さを的確に反映しているとは思えないのだ。

 

現在のFIFAランキングの1位は、昨年のカタールW杯の優勝国であるアルゼンチン代表だ。しかしそれまでの長い期間、ブラジル代表が1位を独走していた。けれどここ10年ほどのブラジル代表に、もはやかつての常勝軍団の面影はない。またアメリカ代表、日本代表がそれぞれ13位、20位に着けているが、カタールW杯における日本代表の善戦を加味しても、両国が世界のトップ20に数えられるとはどうしても考えにくいのである。

 

FIFAランキングでは、途上国よりも先進国や富裕国の方が上位に入りやすい傾向がある。例えば日本が苦戦もしくは惨敗するようなアフリカの強豪国が、ランキング上位に現れることは非常に稀だ。あくまで憶測だが、経済的に安定している国の方がそうではない国に比べて、親善試合や国際大会を開催しやすいのだろう。そしてそのような国際試合の戦績がなければ、実力があっても評価点の与えようがないのではないだろうか。

 

つまりブラジル代表がFIFAランキングの最強格に君臨し続けるのは、今のブラジルが欧州のほとんどの国よりも金を持っている証拠なのではないか。もはやブラジルが世界を相手に戦うのに、サッカーボールは必要ないのかも知れない。