まきしま日記~イルカは空想家~ -23ページ目

まきしま日記~イルカは空想家~

ちゃんと自分にお疲れさま。

故ジャニー喜多川氏による所属タレントへの性加害行為が明らかになり、世間を騒然とさせている。これを受け、ジャニーズ事務所のグループを起用していた企業が次々に契約打ち切りを発表した。さらにこれまで氏の庇護下にあったとされるタレントが批判に晒され、どんどん活躍の場を失っているのだ。

 

法によっても世論によっても、悪逆非道の限りを尽くした大罪人に然るべき罰を与えられなかったことは、確かに非常に残念である。しかしファンが憎むべき対象は、本来被害者であるはずの所属タレントではない、ジャニー喜多川氏であろう。怒りに震えるあまりその矛先を見誤るならば、秋葉原連続殺人犯や京アニ放火殺人犯、彼らと一体何を以て私たちは違うと言えるのか。今一度頭を冷やし、氏の墓前にこそ中指を突き立てよう。

世界的な対中国包囲網が強まる中、意外なことに日本の外交的注目度が上がっていると言う。欧州の立場から見ると、自分たちが2014年のクリミア併合以後強い態度を以てロシアを止めることが出来なかったという経緯から、彼らは日本には毅然とした態度で中国の暴走を止めて欲しいと望んでいる。またアジアの立場から見ると、NATOのような国際的軍事同盟を持たない彼らにとって、対中国の切り札は日米同盟しかないのだ。

 

日本は世界が期待する国際的役割を理解し、それを十分に果たすことで世界平和に貢献しなければならない、などと俺は微塵も思っていない。国際世論の追い風を利用し、何としてでも中国が仕掛ける戦争から国民を守って欲しいのである。

近年では、声優がアニメ番組以外のメディアで顔出ししているのを頻繁に目にするようになった。つまり今やアニメキャラを見れば、その声優の名前から風貌からプロフィールまで分かってしまう訳だ。その結果、例えば中年期を迎えた女性声優が女子高生の役を演じていると、少し違和感を覚えてしまう。それは極めて失礼なことだとは存じつつも、実際にそのような認識は俺だけではなく、わりと広範的なものなのではないかと思うのだ。

 

俺の幼少時代、アニメの少年や少女の役を50代60代のベテラン声優が演じるのは普通のことであった。もちろんそれは、人によって向き不向きがあるだろう。しかしそれを試す機会も与えられず、ある一定年齢に達した声優が一斉に活躍の場を失ってしまうのだとしたら、それは声優タレント化の大いなる弊害である。またその傾向が男性声優よりも女性声優の方が顕著であることを考えると、ジェンダー格差問題にも繋がるのではないか。

これまで度々触れたように、今や中国の経済的凋落は決定的なものとなった。その原因はもちろん中国自身の自滅による点も大きいが、加えてアメリカが経済協力先を中国からインド及びその周辺国へ移したことである。今後はインドが中国を抜いて、新たな経済大国に成長するだろうと目されている。

 

しかしそれは果たして新興国の自立的発展と言えるのだろうか。結局アメリカが成長を許した国がそうなって、成長を許さなかった国がそうなっただけではないか。もっとも中国の軍事的増長は米欧から見切られて然るべきものであっただろう。けれど将来的にインドまでもがアメリカから警戒されて制裁を受けるのだとしたら、そのようなアメリカの不義理を内包する世界システムに、俺はどうしても違和感を覚えてしまうのだ。

中国のバブル崩壊に関連してだが、中国の総債務は1京6000兆円に達すると言う。中国の惨状はひとまず置いといて、俺が驚嘆したのは世界経済の数字についに「京」が登場したことだ。

 

今から30年前、日本のバブル崩壊時に大手企業が次々に倒産し、負債数千億円という数字がニュースでバンバン流れていたのを当時子供ながら覚えている。そしてその頃から日本の経済規模はほとんど変わっていないだろう。そう考えると日本のデフレ経済、失われた30年を改めてしみじみと実感してしまうのである。