周知の通り、俺は『ドラえもん』の大ファンである。
さて、特定の漫画・アニメのファンならば、自らの推す作品がもっと世間から高評価を受けて然るべきと考えるのが心情というもの、俺もまた例外ではない。「『ドラえもん』はもっと高く評価されるべきだ」。
『ドラえもん』にとっての「今以上の高評価」とは『サザエさん』以上、即ち日本で一番のアニメコンテンツを意味する。まさに我が手中に天下収めたりだ。
しかし現実には『ドラえもん』は『サザエさん』に次ぐ2番手だ。それも双璧でも好敵手でもない遠く及ばずの2番手。マラソンで例えるならば、トップを独走するのが『サザエさん』、それに対して2位集団の先頭を行くのが『ドラえもん』である。
そして日本アニメ界の2位集団には、そうそうたる国民的人気作品がひしめき合い、集団の先頭に躍り出る機を狙っている。それはかつての『ドラゴンボール』であり、『ワンピース』等々だ。
そんな中、俺が今最も警戒しているのが『名探偵コナン』である。
劇場版最新作『ゼロの執行人』は興収88憶円を突破。不気味なのがファン層に子供たちだけでなく若い女性も抱えていることだ。彼女らがママとなり親子2世代アニメとなった時、どれほどの巨大コンテンツに化けるのか、考えるに恐ろしい。
このように一大ブーム作品が現れる度に、『ドラえもん』ファンは胃が痛くなる。つくづく『サザエさん』の盤石性が羨ましいものだ。