あらゆる生物種の中で、知的欲求は人間だけが有するのだという。まさに”知”とは人間が人間である証である。
しかし皮肉なことに知を深めれば深めるほど、俺は人間らしい倫理観や友愛精神を失っていく。それは極東アジア情勢、とりわけ日韓外交についてだ。
周知の通り、今や韓国は反日を高らかに掲げ、国内のみならず海外でも日本に対する大々的なネガティブキャンペーンを展開している。
戦後70年、なぜ今さらになって韓国は日本をそこまで敵視するのか。韓国側の立場になって考えてみたい。
戦時中、日清戦争から第二次世界大戦にかけて日本は確かに朝鮮半島を侵略・併合した。当時の日本は強大な列強国であり、朝鮮は蹂躪されてもただ泣き寝入るしかない相手であった。
現在、韓国側の歴史認識に少なからず誤認が見られるとは言え、それは紛れもない事実であり、日本も真摯に受け止めなくてはならないだろう。
ならば確かに、韓国が戦後70年間日本に恨み節を抱いていたとしても不思議ではない。
しかし韓国の、特に国外での反日活動が激化したのは2000年代以降である。なぜここへ来て、韓国の嫌日感情が爆発したのであろうか。
第二次大戦終結以降、世界は武力戦争から経済戦争の時代へ。ここでも日本は超大国アメリカに次ぐ世界2位の経済大国として、韓国をまるで寄せつけなかった。
ところが日本経済は90年代以降停滞。一方で韓国は、新興国としてかつてない急成長。日韓の立場逆転のチャンスが今まさに目の前に。
つまり韓国は日本をただ恨んでいたのではない。日本を追い抜き日本に取って代わる好機を狙っていたのではないか。
◆各国の国内総生産(2015年)
1位 アメリカ 17兆9470億ドル
2位 中国 10兆9828億ドル
3位 日本 4兆1232億ドル
4位 ドイツ 3兆3576億ドル
5位 イギリス 2兆8493億ドル
6位 フランス 2兆4215億ドル
7位 インド 2兆0907億ドル
8位 イタリア 1兆8158億ドル
9位 ブラジル 1兆7725億ドル
10位 カナダ 1兆5523億ドル
11位 韓国 1兆3768億ドル
12位 ロシア 1兆3247億ドル
13位 オーストラリア 1兆2238億ドル
14位 スペイン 1兆2238億ドル
15位 メキシコ 1兆1443億ドル
16位 インドネシア 8589億ドル
17位 オランダ 7384億ドル
18位 トルコ 7336億ドル
19位 スイス 6646億ドル
20位 サウジアラビア 6552億ドル
しかしいくら日本が没落し韓国が成長したとは言え、日本のGDPは韓国のおよそ3倍。これは例えるなら、日本がGDP比約4倍のアメリカに喧嘩を売るようなものだ。
またいつも最終的には中国、ロシアに擁護される北朝鮮に対し、韓国の米中コウモリ外交は完全に空回りの大失策。
それで反日を叫べば叫ぶほど、韓国は極東アジアにおいて孤立化の一途を辿るだけだ。
まあいずれにせよ、我々日本国民の精神衛生のためにも、日韓関係の改善と未来志向化を願ってやまない。