これまで何度か述べてきた通り、最近家ではインターネットテレビAbemaTVで地上波の深夜アニメの再放送ばかり観ている。
このAbemaTV、出資会社テレビ朝日の国民的看板アニメ『ドラえもん』という例外を除けば、『ドラゴンボール』、『ONE PIECE』、『名探偵コナン』などのAAランク、A+ランクのアニメはまず放映されない。著作権の問題もあるのだろうが、放送されるのは一般に認知度の低いCランク、Dランクアニメばかり。それらに特化することで一部の熱烈なファンからの支持と需要を生み出している。
例えば以前、AbemaTVで『SLAM DUNK』が放送されたことがある。恐らく『SLAM DUNK』は上記格付けに基けばA-ランクあたりに相当するメジャー作品であろう。俺も同作が大好きであったが、AbemaTVにそういうのは求めていない。俺がAbemaTVに期待するのは、全国民承認アニメではなく、あくまで埋もれ隠れた名作、傑作アニメなのだ。
さて先日、AbemaTVで『物語シリーズ』が一挙放送されていた。俺が同シリーズを初めて観たのはかなり最近、ブームから数年過ぎたテレビシリーズ最終作となる『終物語』である。俺はたちまちのうちにハマり、一時はYouTubeで関連動画をあさるように視聴した。
しかしこの『物語シリーズ』、なぜかAbemaTVで観ると”重い”。思わず背筋を正して観てしまい、それが非常に疲れるのだ。俺がAbemaTVに求めるのは、それこそ寝そべってBGM代わりに流して観られる「良い意味でどうでもいいアニメ」だ。けれど『物語シリーズ』は少なくとも俺の中ではB+ランク相当以上、それはもはやAbemaTVの”気軽さ”を逸脱しているのである。
要は適材適所、AbemaTVにメジャーアニメ作品は必要ない。B級グルメを食べに銀座に行くヤツも、高級懐石料理を食べにご当地グルメフェスに行くヤツもいないだろう。アニメもまたそれと同様である。