周知の通り、地球温暖化が叫ばれて久しい。例えば平均海水温が現在より1℃上昇すると、サンゴを始めとする海洋生物が壊滅的な打撃を受けると言われている。
しかしながら1℃、たったの1℃である。我々が外を歩いていて気温が17℃から18℃に上昇したところで、恐らく誰も気づきはしないだろう。そして多くの人が抱くであろう疑問、「海洋生物は一体どんだけ敏感で脆弱なんだよ」。
けれど、誰もが経験したことがあるのではないか。入浴中、40℃の浴槽につかっていて「ちょっとぬるいな」、温度を41℃に上げたら「今度はちょっと熱いかも」。我々は確かに1℃の差を体で感じ取っている。気温変化1℃と水温変化1℃、なぜこれほどまでに体感差があるのだろうか。
そもそも温度とは何か。それは分子の運動量である。大気分子や水分子が激しく動けば動くほど、気温や水温は高くなる。そして活発に動く分子が肌にバシバシ衝突することで、その衝撃を我々は熱さとして認識しているのだ。
そして大気の密度はおよそ1.2kg/m3、水の密度は1000kg/m3。大気中に比べ、水中では1000倍の密度で分子が動き回っている。
大気中において、分子運動が1℃分活発になったとする。しかし大気中の微量な分子が肌に当たっても、我々は変化に気付かないだろう。しかし水中、分子の量が1000倍になったらどうであろうか。バシバシバシバシ肌に当たる水分子の衝撃、否応なく温度変化に気付かされよう。
ゆえに大気温上昇よりも海水温上昇の方が、生物に与える影響は甚大なのだろう。以上、これらはあくまで俺の個人的考察である。どうかあしからず。