日本を代表する国民的人気アニメといえば、ご存知『サザエさん』、そして『ドラえもん』である。古今を見渡してもこれほどまでに永く広く愛され続けるアニメは他に類を見ない、そんな俺の認識は決して世間一般から外れてはいないだろう。
ならば、『サザエさん』、『ドラえもん』に次ぐ「準国民的アニメ」を挙げるとしたら何か。この問いに答えるのは容易いことではない。日本アニメ史50年、その間に放映されたアニメ作品は実に4000作以上、それこそ時代もジャンルも多岐に渡り過ぎている。例えば『ONE PIECE』と『鉄腕アトム』を比較する、これはナンセンスとも言えるほど困難だ。
ならば数多アニメ作品をいくつかのカテゴリーに分け、その中で各作品の国民的人気の程を比べ論じてはどうだろうか。よってここでは(1)週刊少年ジャンプ部門、(2)スタジオジブリ部門、(3)平成部門、(4)昭和部門と4つの部門を設け、それぞれの中から「準国民的アニメ」を挙げてそれらを独断と偏見でランク付けしていきたい。
ではここから、『サザエさん』、『ドラえもん』をSランクと位置付けた上で、上記4つのカテゴリーそれぞれにおいて、AランクからCランクまで「準国民的アニメ」を挙げていく。
(Sランク)
『サザエさん』 『ドラえもん』
(1)週刊少年ジャンプ部門
(Aランク)
『ドラゴンボール』 『ONE PIECE』
(Bランク)
『SLAM DUNK』 『キャプテン翼』
(Cランク)
『るろうに剣心』 『NARUTO』
(2)スタジオジブリ部門
(Aランク)
『となりのトトロ』
(Bランク)
『もののけ姫』 『千と千尋の神隠し』
(Cランク)
『風の谷のナウシカ』 『天空の城ラピュタ』
(3)平成部門
(Aランク)
『名探偵コナン』 『ポケットモンスター』
(Bランク)
『ちびまる子ちゃん』 『クレヨンしんちゃん』
(Cランク)
『美少女戦士セーラームーン』 『新世紀エヴァンゲリオン』
(4)昭和部門
(Aランク)
『鉄腕アトム』 『それいけ!アンパンマン』
(Bランク)
『機動戦士ガンダム』 『ルパン三世』
(Cランク)
『宇宙戦艦ヤマト』 『天才バカボン』
これら格付けを一覧に示したものが下図となる。
以上、「カテゴリー別準国民的アニメ格付け」であった。さて、ここまでに挙げた「準国民的アニメ」の中で、現時点において『サザエさん』、『ドラえもん』の高みに最も近い位置に昇りつめているのは、『ドラゴンボール』、『ONE PIECE』、『名探偵コナン』の3作品であろう。
しかし、80年代から90年代にかけて一斉を風靡し、2000年代に入り海外からの評価を受け人気が再燃した『ドラゴンボール』であるが、今やその人気はピークを過ぎ去ったと言って良いだろう。もし将来、『サザエさん』、『ドラえもん』と並び称され得る作品があるとしたら、俺は『ONE PIECE』、『名探偵コナン』ではないかと考える。
現在、爆発的人気を博した『ONE PIECE』を『名探偵コナン』が着実に追い上げている形だが、両作ともに放送開始からおよそ20年、間もなく“親子2世代期”を迎える。母と子が一つの作品をともに観て興奮や感動を共有する、その時『ONE PIECE』、『名探偵コナン』はまさに名実ともに国民的人気アニメとなるのではないだろうか。