今年、いや近年最大の芸能ニュースと言っていいだろう。国民的アイドルグループ、SMAPの年内解散。「なぜこんなことになってしまったのか」、「他に道はなかったのか」、ただただ天に問う想いなのは、俺もまた同じだ。
しかし俺にはどうしても理解らない。なぜ木村拓哉が“戦犯”“裏切り者”として大バッシングにさらされているのか。ここでサクッと経緯を説明すると、SMAPの育ての親ともいうべき元マネージャーI氏がジャニーズ事務所を退社。それを追うように中居正広、稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾の4人が事務所からの独立意志を表明。しかし木村だけがジャニーズ事務所残留を希望したためメンバー間に亀裂が走り、結局最後まで修復には至らずSMAPは解散となった。
けれど俺は、木村の事務所残留は極めて常識的な判断であったと考える。バラエティに根を張る中居はともかくとして、稲垣、草彅、香取の3人はジャニーズ事務所のプッシュなくして、この先どれほどの仕事が約束されているいうのか。そしてそれはアイドル適齢期をとうに過ぎ、ドラマで数字がとれなくなった木村もまた同じだ。さらにジャニーズ事務所が本気で潰しにかかれば、元SMAPといえども簡単に芸能界から消されてしまおう。
この度の解散騒動、木村に咎はない。彼もまた上層部のいさかいに巻き込まれ翻弄された一人だ。SMAPファンがやりきれない思いでいるのは良く分かる。しかし罪なき者を吊し上げ、行き場のない怒りをただただぶつける。それでは中世ヨーロッパの魔女狩り、ナチスドイツのユダヤ人迫害と何ら変わらないではないか。落ち着け、良識と分別をわきまえた日本人よ。