最近、ネットニュースでしばしば見かけるのが、中国の報道機関による日本論評である。そしてそれは否定的なものではない。その9割が肯定的評価なのだ。
「日本は今尚強大な国家だ」、「日本の産業競争力はまだ中国の及ぶところではない」、「日本の潜在的軍事力は決して侮ることの出来ない脅威である」、などなど。
いずれも日本人のナショナルアイデンティティをくすぐる記事ばかりだが、果たしてこれらは中国人民の総意なのであろうか。俺はそうは思えない。
日本の経済力、軍事力、国際的影響力を高く評価する中国人の有識者は恐らくごく一部。大多数の中国人にとって、今や日本は「島国の小国」。それ以上でもそれ以下でもあるまい。
それも致し方ないことであろう。中国の国内総生産は今や日本の2倍以上。また急速な軍備増強により、軍事面においても世界屈指の大国になってしまった。もはや中国の眼中にはアメリカしかないのだろう。
◆国内総生産ランキング(2015年)
1位 アメリカ 17兆9500億ドル
2位 中国 10兆9800億ドル
3位 日本 4兆1200億ドル
4位 ドイツ 3兆3600億ドル
5位 イギリス 2兆8500億ドル
6位 フランス 2兆4200億ドル
7位 インド 2兆0900億ドル
8位 イタリア 1兆8200億ドル
9位 ブラジル 1兆7700億ドル
10位 カナダ 1兆5500億ドル
ただ俺が情けなく思うのは、日本のメディアの卑屈さだ。中国人の中でも極めて少数派、数少ない日本を畏怖する声を見つけてきてはネットニュースに誇らしげに掲載、「アジアの盟主国・日本ここにあり」。
そんなに中国に褒めてほしいか。認めてほしいか。中国の評価なくして、日本人は胸を張ることも出来ないのか。日本のメディアは国民をバカにしている。
俺は知りたい、中国の本当の日本の評価を。そしてそれが如何に屈辱的なものであれ、日本人たることを心から誇ろう。なぜなら俺は日本人だからだ。