まずは以下をご覧いただきたい。これは現在最も広く承認される、海外アーティストの「レコード世界総売上ランキング」である。
1位 ビートルズ 10億枚
1位 エルヴィス・プレスリー 10億枚
3位 マイケル・ジャクソン 7億5000万枚
4位 ビング・クロスビー 5億枚
5位 アバ 3億7000万枚
6位 マドンナ 3億枚
6位 クイーン 3億枚
6位 レッド・ツェッペリン 3億枚
9位 エルトン・ジョン 2億5000万枚
9位 ピンク・フロイド 2億5000万枚
しかしながら、これらは全て推定値に過ぎない。なぜなら世界には、日本国内でいうところの日本レコード協会のような、国際的なレコード売上集計機関が存在しないからである。その正確なところは誰にも分からないのだ。
その上で、俺は異議を唱える。上記ランキングは明らかな誤りである。以下、論拠を述べていく。
(1)エルヴィス・プレスリーとビートルズがともに総売上10億枚で並んでいるとは考えにくい。なぜならエルヴィスの活動期間が20年以上に及ぶのに対し、ビートルズはわずか7年間、圧倒的に短いからだ。
参考までに、デビュー4年で解散したピンク・レディーの国内総売上がおよそ1200万枚であるのに対し、30年以上に渡り活躍する松田聖子の総売上はその倍以上の2900万枚である。
(2)マイケル・ジャクソンの総売上が7億枚を越えていることはまずあり得ない。なぜなら彼はその生涯において、わずか10数枚しかソロアルバムを発表していないからだ。
仮に10数枚のアルバムで売上7億枚を達成しようとすれば、全世界で1億枚以上売上げたアルバム『スリラー』を加味しても、各アルバム最低5000万枚以上は売上げなくてはならない。もしそうなった場合、世界アルバム売上ランキングの1位から10位までをマイケルの作品が独占することになる。
以上を踏まえた上で、またその他諸々調べた上で、俺個人が思うところのおおよそ妥当な「レコード世界総売上ランキング」は以下となる。
1位 エルヴィス・プレスリー 10億枚
2位 ビートルズ 6億枚
3位 ビング・クロスビー 4億枚
4位 アバ 3億7000万枚
5位 マイケル・ジャクソン 3億5000万枚
6位 マドンナ 3億枚
6位 クイーン 3億枚
6位 レッド・ツェッペリン 3億枚
9位 エルトン・ジョン 2億5000万枚
9位 ピンク・フロイド 2億5000万枚
さて2000年代に入り、米露を中心に国際宇宙ステーションの建設が着々と進んでいる。
しかし俺は世界に対して言いたい。そんな何の役に立つかも分からんようなものに膨大な金と労力を投じるくらいなら、その前に国際的なレコード売上集計機関、「国際レコード協会」を設立して欲しい。
何十年と議論されているエルヴィス vs ビートルズ。いい加減、俺はその決着が見たい。