恐らくではあるが、俺は文章を書くのが決して苦手ではない。そしてそれは先天的才能ではなく、後天的努力によるものだ。小中時代、俺は人の3倍くらい作文を書いてきた。そして今もこうして10年近くブログを書いている。
しかしながら俺は、「空気を読んで文章を書くこと」が極めて苦手だ。例えばブログであれば、マナー、モラルの範囲内でなら何を書いても許されるであろう。しかしオフィシャルな文章を書く時でも、しばしば頭で考えるより先に筆が走り、TPOなどぶっ飛んでしまう。
大学時代、ゼミのOB会を控えて。ゼミ生を3グループに分け各班グループ研究、その成果を発表することになった。そしてグループ内において各自担当個所を分担。俺は大トリ、締めの言葉の原稿を書くことになった。
OB会、俺はその時が初参加であったが、どうやら厳かな雰囲気で行われるらしい。ならば面白おかしい文章はNG、しかし聞き手があくびが出るようなグダグダで退屈な文章であってはならない。俺は最低限、それこそ最低限テンポの良い文章を心掛けて原稿をしたためた。
うむ、我ながら素晴らしい原稿が書き上がった。ところが草案をグループのメンバーに見せたところ、一同大爆笑。そしてさんざん笑われた挙げ句に「文章としては面白いけど、ちょっとOB会の雰囲気にはそぐわないかな」、あっさり没である。
しかしあれから10余年、俺はいまだに分からない。あの時のOB会の発表原稿、俺はテンポこそ意識すれども、ウケ狙いの箇所などどこにも仕掛けていない、大真面目だ。一体俺の文章のどこに、笑いどころがあったのだろうか。