関西出身のお笑い芸人、その9割が東京進出を目指しているといっていいだろう。地元大阪における盤石の人気をかなぐり捨て、東京で売れるなどという保証はどこにもない、それにも関わらずだ。俺は思う、「ふうん、東京がそんなに偉いもんなのかねえ」。
俺は東京生まれの埼玉育ち、旅行以外で関東を出たことは一度もない。よって俺には地方出身者の気持ちは分からない。しかし何も芸能人に限らず、例えば新大学生も「東京デビュー」に並々ならぬ思い入れを持って上京してくる。やっぱり俺には理解らない。
世界都市・東京。日本政治の中枢にして日本経済の中枢、その担う役割は他のどの地方都市とも比較にならないほど大きい。しかしだからと言って、東京が日本文化の中心でなくてはならない理由はどこにもない。例えば大阪、名古屋、福岡、札幌。カルチャーの中枢になり得る地方都市は、東京以外にも日本中に存在する。
そして地方土着カルチャー、その成功例は実在する。それは秋葉原だ。「やっぱり東京じゃねえか」とツッコまれそうだが、例えば新宿、渋谷を東京文化の中枢とするならば、秋葉原はそれらとは明らかな地理的隔たりがあり、またその特色も、新宿、渋谷とはキッパリ異なる。
俺は言いたい、東京がナンボのもんじゃい。大阪、名古屋を第2、第3の秋葉原にすればいいじゃないか。地方在住者は東京至上主義を捨て、土着カルチャーに胸を張る。人口流出は止まり観光マネーもガッポリ、果たして一石何鳥であろうか。