現在、この地球上にはおよそ70億人の人間がいる。ならば単純計算でその半分、ざっと35億人が女子であるはずだ。しかし、俺にはそれがにわかには信じがたい。なぜなら、俺の周りにはカノトモ如何を問わず女の子が一人もいないからである。
そしてふと思った。もしかしたら俺は、ようやく気付くべきことに気付いたのではないか。森羅万象、この世界の全てが実は仮想現実である。そして男のプレイヤーが35億人いるのに対し、存在する女子の99%以上がプログラミングされた通行人、実際には女子のプレイヤーは1万人にも満たないのだとしたら。そう、この腐った仮想世界においては、「彼女をつくる」ということ自体が壮大なクエストなのである。
長い人生の中で、誰もが至るであろう分岐点。この世界に疑いを抱いた時、果たして世界を信じるか、それとも自分を信じるか。俺なら迷わず自分を信じる。