夏である。夏休みである。子供はもちろんのこと、大人も夏季休暇までいよいよ秒読み、まさにsummer paradise comin'。
さて子供時代、それこそ誰もが夏休みに向けて壮大な目標を立てたことだろう。例えばクロールで100m泳げるようになる、家にある全てのゲームを全クリする、中には童心を忘れぬまま大人になり、自転車で日本を一周してしまうような猛者までいる。
残念ながらまきしま35歳、俺にそんな若さや情熱は残されていない。しかしささやかながら、否ある意味とてつもなく壮大な、この夏の目標を俺は立てた。聞いて驚け、ズバリ「エアコンを使わずにひと夏を乗り切ってみせる」。
今、俺の家のエアコンは壊れている。業者に頼んで直そうにも、面倒くさいし何より金がかかる。そして扇風機もない。しかし1年を通じて日本列島が灼熱と化すのは7月後半及び8月前半。つまりあと数週間を乗り切れば、もはやラスボスの首を獲ったも同然だ。
では一体どうやって、この夏の暑さを乗り切るのか。平日の夜は楽勝だ。まずは当然裸族、そして家中の窓と言う窓を開放して風の通り道を作り、その上で換気扇を回すのである。すると涼やかな微風が部屋を流れ、夜間なら余裕で過ごせる。
しかし一筋縄ではいかないのが休日の日中、これはかなり手ごわい。「窓全開換気扇作戦」では歯が立たない。まきしま大ピンチ、この難局を果たしてどう乗り切るか。
そこでまきしま最終奥義、「シャワーびしょびしょ作戦」。シャワーを浴びてそのまま体を拭かずびしょ濡れで過ごす。すると肌についた水滴が自然に蒸発し、その際に気化熱が体温を奪っていくのだ。これぞ「生活の知恵」を越えた「生活の自然科学」である。
ひと夏をエアコンなしで過ごす。これはニュートン、コロンブスをも凌駕する人類史上最高の偉業であろう。どうか皆さん、このまきしまの挑戦をぜひ応援してほしい。