もはやハリウッド映画のお約束と言っていいだろう。
巨大隕石衝突や宇宙人襲来はなぜか必ずアメリカで起こる。そして大統領が声明を出し、アメリカ一国の危機がいつの間にか地球全体の危機になっている。
最後は必ずアメリカ国民の団結心と愛国心で、これら未曽有の危機に打ち勝つのだ。しかし本当にそのような事態が起きた時、アメリカや世界はどうなるのか、以下シミュレーションしてみた。
(1)NASAが木星軌道の内側に、人工物と思われる未確認飛行物体を発見。秒速30kmの猛速度でまっすぐ地球に接近中。
(2)3時間後、未確認飛行物体はアメリカ東海岸北部上空に飛来し停着。その直径は実に300kmから500km。
(3)未確認飛行物体は一斉攻撃を開始。わずか数分でニューヨーク、ボストンは完全に消滅。その後、飛行物体は悠々と宇宙の彼方に去っていく。
(4)6時間後、ワシントンD.C.は満場一致で武力抗戦を決定。さらに世界各国に応援を要請。
(5)12時間後、最初の米軍が被災地に到着。しかし応戦すべき巨大敵艦はとっくに去ってしまい、被害規模の調査が主な任務となる。
(6)72時間後、アメリカの応援要請を受けて各国軍が続々と到着。彼らは在米邦人の被害状況の把握に奔走。
日本「犠牲となった日本人は…」
イギリス「let it be yesterday…」
中国「麻婆豆腐回鍋肉…」
フランス「de larc en ciel…」
(7)2年後、国連は地球外知的生命体の脅威に備え、軍事費を現在より5%増やして国連軍の軍備増強を図ることを決定。
結論、対応が後手後手すぎてまるで話にならない。
荒涼とした宇宙にひと際輝く、この地球というオアシス。我々より文明が進んだ宇宙人の目に止まらぬことを、ただただ祈るばかりである。