以前インターネットTVを観ていたところ、タレントさん同士があっち向いてホイ対決をしていた。ところがこれがなかなか決着がつかない。 勝負が決するまで10回戦か、あるいは15回戦か。とにかく希に見る大激戦だったのだ。
そして俺はふと思った。「あっち向いてホイはだいたい、何回戦で決着がつく確率が高いのだろうか」。 よって以下、かなり難儀な計算をする。数式を目で追うのがメンドイ方は、サクッと読み飛ばしてほしい。
まずは前置き。あっち向いてホイにおいて、
「何回戦目に決着がつく確率が最も高いのか」
これは当然、1回戦目に決まっている。
そして2回戦目、3回戦目…と回を重ねるごとに、
確率は低くなっていく。
よってここでは、
「何回戦以内に決着がつく確率が最も高いのか」
これを計算していきたい。
まず1回のジャンケンで勝敗が決まる確率を求める。
グー、チョキ、パー、両者の手の組み合わせは全部で、
3×3=9通り
そのうち一方が勝つパターンは3通り、
他方が勝つパターンは3通り、そしてあいこが3通り。
よって1回のジャンケンで勝負がつく確率は、
(3+3)/9=2/3 となる。
その上で、あっち向いてホイが決まる確率は、
首の動き上下左右の4通り。つまり確率1/4
ゆえに任意の回であっち向いてホイが決着する確率は、
(2/3)×(1/4)=1/6 となる。
では、いよいよここからが佳境。
(尚、「^」はべき乗を表す)
あっち向いてホイで、
n回以内に勝敗が決まる確率をP(n)とすると、
P(n)=n×(1-1/6)^(n-1)×(1/6)
=(n/6)×(5/6)^(n-1)
ここでP(n)を最大化するnを求める。
P(n)の導関数P’(n)は、
P’(n)=(n/6)’×(5/6)^(n-1)
+(n/6)×{(5/6)^(n-1)}’
=(1/6)×(5/6)^(n-1)
+(n/6)×(5/6)^(n-1)×log(5/6)
今、P’(n)=0とすると、
(1/6)×(5/6)^(n-1)
+(n/6)×(5/6)^(n-1)×log(5/6)=0
(1/6)×(5/6)^(n-1)
=-(n/6)×(5/6)^(n-1)×log(5/6)
1=-n×log(5/6)
よって、
n=-1/log(5/6)≒5.55
以上、俺の計算に間違いがなければ、あっち向いてホイは5、6回以内に決着する可能性が最も高いと言える。もっともこれは、ジャンケンやあっち向いてホイに一切の心理作用が影響しないという仮定に基づく場合の話だが。