マツコはいうなれば、芸能界の「勘違い御意見婆さん」の予防線だ!! | まきしま日記~イルカは空想家~

まきしま日記~イルカは空想家~

ちゃんと自分にお疲れさま。

マツコ・デラックスが世に出て、もう5、6年になろうか。初めて見た時はその常人離れしたヴィジュアルに度肝を抜かれたが、それもいつしか慣れた。もはや好感すら覚える。今やマツコは、着実に「芸能界の御意見番」たる地位を固めつつある。


「御意見番」と言えば、昔から芸能界には「勘違い御意見婆さん」が後を絶たない。古くはミッチー・サッチーこと浅香光代に野村沙知代、そして細木数子、デヴィ夫人。ハッキシ言って彼女らは芸能界における”キワモノ”でしかないのだが、当の本人たちは微塵もそうは思ってはいない。「自分は芸能界を一喝出来るほどの大いなる存在」と完全に思い上がっている。ゆえに発言、態度、振る舞い、その全てが尊大で扱いづらいのだ。


その一方で、マツコ・デラックス。彼女は自分が”キワモノ”であることを誰よりもよく知っている。自分が世間的にまだまだ受容が乏しい性的マイナリティであること、そして異形とも表すべき自身の容姿、全て承知の上で求められるキャラクターを演じている。彼女は自身の立ち位置を十分によく理解し、また間違っても他者に尊敬をを強要したりはしない。そんなマツコだからこそ彼女の一言一句、その毒舌さえも不快なくして微笑ましく視聴者に届くのだろう。


芸能界のイス取りゲーム。「御意見番枠」は1席のみ、2人はいらない。マツコにはぜひその席に140kgの体重でドッシリと居座り続けてほしい。彼女はいうなれば、芸能界の「勘違い御意見婆さん」の予防線だ。