世の中には、似て非なるものが数多く存在する。
矢田亜希子と和田アキ子、加藤あいと阿藤快、
そしてヒトラーとナポレオンである。
世界史には全く以て疎い俺には、
ヒトラーとナポレオンの違いがサッパリ分からない。
他国に侵略戦争を仕掛け、次々と陥落させたという点で、
両者の所業は全く同じである。
もっとも、ヒトラーは800万人のユダヤ人を虐殺した。
しかしそれを言うならば、
ポル・ポトも300万人を虐殺している。
にも関わらず、20世紀最悪の独裁者と言えば、
議論の余地もなくヒトラーなのである。
これはあくまで、俺の個人的憶測であるが。
第二次大戦の敗戦を受け、ドイツ政府は国外に向け、
徹底的にナチスの悪逆を唱えたのではないか。
ヒトラー1人を大戦犯に仕立て上げることで、
ドイツという国家自体は戦争責任を免れたのである。
かくして、人類史上最悪の独裁者ヒトラーは捏造られた。
古代から近代に至るまで。
恐らく権力者の所業など、
ほとんど似たり寄ったりのものだったのではないか。
しかし後の時代の施政家が、政治的意図に基づいて、
その中から聖人を決め、悪人を決める。
そして何といってもその好例が、
三国志における曹操と諸葛孔明であろう。