翌朝。
ホテルのチェック・アウトは午前10時。
しかし俺たちは、
午後2時まで延長を申し入れた。
おそらくまだ路線が復旧していないだろう、
それを見越してのことだった。
そしてmixiニュースに、
福島原発損壊の報が入ってきた―――
第一原発は半径10km以内、
第二原発は半径3km以内の住民が退去。
それはまだ震災の付随的事故として、
実に小さく報じられていたが、
俺の知り得る被爆災害、
それは今回の震災被害を遥かに凌駕するものだった。
俺は彼女に言った。
「どうやら今回の地震は高くついたな。
福島原発の損壊、
これはとんでもない二次災害を生むぞ―――」
(続く)