5月27日 どうして俺はいつもそうがむしゃらなのかって? それは、いつ死ぬかわからないからだ。
ジョンは意外と忙しい。
昨晩も友人とおぼしき人物から電話があって何やら相談にのっていたようだ。
さっそく今日の午後その人物のところに行く事になった。
ややはげかけてはいるが薄水色の大きな家から出てきたのは
この町に似つかわしくない品のいい老婦人だった。
この町は少しばかりだが産出される石油で成り立っていた。
肉体労働が主だから必然的に屈強な男性が多く住んでいる。
その品のいい老婦人はボクのことも暖かく迎えてくれた。
物腰の柔らかい丁寧な口調で話す人だった。
老婦人のだんなはすでに他界し、子供たちもすでに都会へと出て行ってしまい、
大きな家に一人で住んでいるらしい。
ボクが老婦人とおしゃべりしている間にジョンは車から工具箱を取り出すと
家の横手にある納屋に入り、発電機をいじりはじめた。
このあたりは冬場になると頻繁に停電になることがあるらしく、
自家用の発電機が役に立ってるそうだ。
夏のうちにそれをメンテナンスするのが風物詩となっていたが、
彼女にはそれが自分でできないのでジョンを頼ったようだ。
手際いいジョンによって、見る見る間に発電機は外装を外されバランバランになっていく。
これはちょっと時間がかかりそうだ。
ジョンに手伝いを申し出たが、
『今はない。』と無碍もなく断られた。
手持ちぶたさなボクは老婦人に
『何か他にありますか?』と尋ねると家の電球の交換を頼まれた。
日本と違い天井が高く、老婦人には大仕事だそうだ。
結局、切れそうなやつも含め4つの電球を交換した。
その間にジョンは一通りの作業を終え、発電機の試験運転をしていた。
が、これがうまくいかない。
回転ベルトを代えてみたり、点火プラグを掃除してみたり、
あれこれいじるがどうも思ったように動いてくれないみたいだ。
そうこうしているうちに夕方になってしまった。
白夜なので日没はないにしても手元が暗くなってくる。
それでもヘッドランプをつけてジョンは黙々と作業をすすめた。
(別にすぐに必要なものでもないだろうに。あとは明日にすればいいのに・・・)
暇を持て余していたボクがそう思い始めたころ、
ようやく発電機は順調に回転しはじめ、安定して電力を発電するようになった。
帰りの車中で
『どうしてそんなに一生懸命だったの?明日でもよかったんじゃないの?
なんでいつもジョンはがむしゃらなんだろう?』
と尋ねた。
ジョンはタバコをうまそうにふかしながら
『どうして俺はいつもそうがむしゃらなのかって?
それは、いつ死ぬかわからないからだ。もしかしたら明日死ぬかもしれない。
死の瀬戸際で『ああ、あんときもっと頑張ってりゃあ良かった・・・』なんて思いたくないだろ?』
と答えた。
ここは大自然の真っ只中。
急に倒れて病院にいこうにもすぐには行けない。
グリズリーだってうろうろしている。
おまけに気候は不安定。
そうか、常にジョンは死を意識しているんだ。
つまりは生きていることを実感して毎日を過ごしているんだ。
平和やら安全やらに寝ぼけているまにボクは大事なことを忘れていた気がする。
ボクは生きている。
昨晩も友人とおぼしき人物から電話があって何やら相談にのっていたようだ。
さっそく今日の午後その人物のところに行く事になった。
ややはげかけてはいるが薄水色の大きな家から出てきたのは
この町に似つかわしくない品のいい老婦人だった。
この町は少しばかりだが産出される石油で成り立っていた。
肉体労働が主だから必然的に屈強な男性が多く住んでいる。
その品のいい老婦人はボクのことも暖かく迎えてくれた。
物腰の柔らかい丁寧な口調で話す人だった。
老婦人のだんなはすでに他界し、子供たちもすでに都会へと出て行ってしまい、
大きな家に一人で住んでいるらしい。
ボクが老婦人とおしゃべりしている間にジョンは車から工具箱を取り出すと
家の横手にある納屋に入り、発電機をいじりはじめた。
このあたりは冬場になると頻繁に停電になることがあるらしく、
自家用の発電機が役に立ってるそうだ。
夏のうちにそれをメンテナンスするのが風物詩となっていたが、
彼女にはそれが自分でできないのでジョンを頼ったようだ。
手際いいジョンによって、見る見る間に発電機は外装を外されバランバランになっていく。
これはちょっと時間がかかりそうだ。
ジョンに手伝いを申し出たが、
『今はない。』と無碍もなく断られた。
手持ちぶたさなボクは老婦人に
『何か他にありますか?』と尋ねると家の電球の交換を頼まれた。
日本と違い天井が高く、老婦人には大仕事だそうだ。
結局、切れそうなやつも含め4つの電球を交換した。
その間にジョンは一通りの作業を終え、発電機の試験運転をしていた。
が、これがうまくいかない。
回転ベルトを代えてみたり、点火プラグを掃除してみたり、
あれこれいじるがどうも思ったように動いてくれないみたいだ。
そうこうしているうちに夕方になってしまった。
白夜なので日没はないにしても手元が暗くなってくる。
それでもヘッドランプをつけてジョンは黙々と作業をすすめた。
(別にすぐに必要なものでもないだろうに。あとは明日にすればいいのに・・・)
暇を持て余していたボクがそう思い始めたころ、
ようやく発電機は順調に回転しはじめ、安定して電力を発電するようになった。
帰りの車中で
『どうしてそんなに一生懸命だったの?明日でもよかったんじゃないの?
なんでいつもジョンはがむしゃらなんだろう?』
と尋ねた。
ジョンはタバコをうまそうにふかしながら
『どうして俺はいつもそうがむしゃらなのかって?
それは、いつ死ぬかわからないからだ。もしかしたら明日死ぬかもしれない。
死の瀬戸際で『ああ、あんときもっと頑張ってりゃあ良かった・・・』なんて思いたくないだろ?』
と答えた。
ここは大自然の真っ只中。
急に倒れて病院にいこうにもすぐには行けない。
グリズリーだってうろうろしている。
おまけに気候は不安定。
そうか、常にジョンは死を意識しているんだ。
つまりは生きていることを実感して毎日を過ごしているんだ。
平和やら安全やらに寝ぼけているまにボクは大事なことを忘れていた気がする。
ボクは生きている。