007/カジノ・ロワイヤル
暗殺の仕事を2度成功させたジェームズ・ボンドは“00(ダブルオー)”の地位に昇格し、最初の任務で、世界中のテロリストの資金源となっている“死の商人”ル・シッフルの存在を突き止める。高額掛金のポーカーで資金を稼ごうとするル・シッフルと勝負するため、モンテネグロに向かうボンドの前に、国家予算である掛金1500万ドルの監視役として財務省から送り込まれた美貌の女性ヴェスパー・リンドが現れる。
新ボンドのキャスティングを巡ってはワールドワイドに物議を醸したが、ダニエル・クレイグという選択は間違いではなかった。原作はイアン・フレミングのボンド・シリーズ第1作。ゆえに殺しのライセンスを与えられた諜報員としてはまだまだ未熟で、これまで描かれたボンドたちとは違い、失敗もするし、本気で恋にも-ヴェスパーはシリーズ最高のイイ女かもしれない-落ちる。アクションやセックスアピールだけではない一人の男の複雑な魅力がよく出ている。引き続きジュディ・デンチが演じるMとの辛辣でウィットに富んだ会話もいい。主題歌「ユー・ノー・マイ・ネーム」も、まさに007誕生にふさわしく、新しい始まりを予感させる。
エラゴン 遺志を継ぐ者
17歳のエラゴンは、ある日、森で不思議な光を放つ青い石を見つける。その石こそが帝国アラゲイジアの命運を握る、ドラゴンの卵だった…!卵から孵ったメスのドラゴン、サフィラを密かに育て始めたエラゴンは、自分がかつて国を守っていた誇り高き種族・ドラゴンライダーに選ばれた事を知る。暴君ガルバトリックス王に立ち向かうため、村の語り部ブロムと旅に出たエラゴンは数々の危機を乗り越え、サフィラとの絆を深めていく。
わずか17歳のクリストファー・パオリーニが書き上げた、冒険ファンタジー三部作の第一部。03年にアメリカで出版され、300万部を突破。その後、全世界40カ国で大ベストセラーとなった超話題作を映画化!監督は、ILMに15年間在籍し、ルーカスに「視覚効果の天才」といわしめたシュテフェン・ファンマイアー。最大の見どころは、高貴でエレガントなドラゴン、サフィラだ。まだ若く未熟なエラゴンが冒険を通して成長していくように、サフィラも強さと威厳を身に付けていく。主人公のエラゴン演じたエド・スペリーアスは、18万人の中から選ばれた超新星。脇を固めるジョン・マルコヴィッチ、ジェレミー・アイアンズらベテラン俳優も見逃せない。
武士の一分
三村新之丞は、近習組に勤める下級武士。毒見役という役目に嫌気がさしながらも、美しい妻・加世と中間の徳平と平和な毎日を送っていた。ある日、毒見の後、新之丞は激しい腹痛に襲われる。あやうく一命はとりとめたが、高熱にうなされ、意識を取り戻した時は、視力を失っていた。人の世話なしで生きられなくなった自分を恥じ、一度は命を絶とうとしたが、加世と徳平のために思い留まった。ある日、加世が外で男と密会しているという噂を聞く。新之丞は徳平に尾行をさせ、加世が番頭・島田と密会していることを知る……。
『たそがれ清兵衛』、『隠し剣 鬼の爪』に続く、山田時代劇三部作。原作は藤沢周平の隠し剣シリーズ第2作である『隠し剣秋風抄』の「盲目剣谺返し」。最終作となる本作では、主演の三村新之丞役に木村拓哉を迎えた。常に“最高以上”を求める山田演出が冴える。この三部作が「新しい時代劇」と呼ばれるのは、時代劇でありながら、現代にも通じる人々の心情が丁寧に描かれているからだろう。本作も、「平等」や「個性の尊重」など、社会へのメッセージがセリフの端々にちりばめられている。音楽を担当するのは、山田組にかかせない存在となった富田勲。音を大切にする山田監督だが、新之丞が耳が頼りであるため、特にこだわったようである。