Hyper Fun & Hobby -91ページ目

硫黄島からの手紙

戦況が悪化の一途をたどる19446月。アメリカ留学の経験を持ち、米軍との戦いの厳しさを誰よりも覚悟していた陸軍中将・栗林が硫黄島に降り立った。着任早々、栗林は本土防衛の最期の砦である硫黄島を死守すべく、島中にトンネルを張り巡らせ、地下要塞を築き上げる。そんな栗林の登場に、硫黄島での日々に絶望していた西郷ら兵士たちは希望を見出す。だが、一方で古参の将校たちの間で反発が高まり…。

イーストウッド監督、スピルバーグ製作の『父親たちの星条旗』に続く、硫黄島2部作の第2弾。日本の最南端にほど近い太平洋に浮かぶ、東京都小笠原村硫黄島。山手線一周ほどもないこの小さな島は、米軍の本土攻撃を食い止める最期の砦として重要な拠点だった。米軍は当初、圧倒的な戦力の違いから5日で陥落できると踏んでいたが、予想以上の日本軍の抵抗によって激戦は36日間に及んだ。この硫黄島の戦いを率いた日本軍の栗林中将、若き兵士・西郷ら何人かの人物に焦点を当て、硫黄島での戦いを明らかにしていく。戦後61年が経ち、地中から発見された数百通の手紙。届かぬとわかっていてしたためられた家族への思いが、余りにも悲痛で胸を打つ。

あなたを忘れない

兵役を終えた25歳のスヒョン。バンドでギターを弾いていた彼はサークルの仲間とも再会し、元の楽しい学生生活に戻った。日本語のクラスで日本のヒット曲を聴き、気に入った彼は、ライブでその曲をやろうと提案。しかし、メンバーは大反対。日本の音楽はこんなにいいのに、なぜ?そんな時、彼の祖父が日本に住んでいた事があり、父も日本で生まれた事を知る。日韓の関係に興味を持った彼は、日本に留学する事を決意する。

2001年、JR新大久保駅で、線路に落ちた日本人を助けようとして、26歳でこの世を去ったイ・スヒョンさんの人生を実話に基づき描いた物語。いわゆる美談ではなく、戦後60年以上経った今でも続く日韓の問題や、国際人としての日本人の質を押し付けることなく訴えている。HIGH and MIGHTY COLOR ボーカリスト、マーキーがスヒョンの恋人ユリ役で出演している他、たくさんの新人アーティストが楽曲を披露しているのも見どころのひとつ。スヒョンと同じ世代のミュージシャンたちが作品を盛り上げる。スヒョンを演じるのは、新人イ・テソン。監督は、『不良少年(ヤンキー)の夢』など、実話に基づいた作品を得意としている花堂純次。

それでもボクはやってない

大事な就職の面接を控えた日の朝、大勢の通勤客に混じって満員電車から駅のホームへ吐き出されたところを痴漢に間違われ現行犯逮捕されてしまった金子徹平。連行された警察署で容疑を否認すると、そのまま拘留される。その後も一貫して無実を主張するものの、結局は起訴される事に。徹平の無実を信じる母や友人・達雄の依頼でベテランの荒川、新米の須藤の二人の弁護士が徹平の弁護を引き受け、いよいよ裁判が始まる…。

やってないことをやってないと主張するのは真っ当な事であるはずだ。ところが、逮捕から取調べ、拘留、起訴の過程で、誰もそんな主張には耳を貸さない。これは辛い。疑われた者は端から犯罪者扱いである。ゆえに、たとえ無実であっても無罪を勝ち取るのは難しい。まして被害者は女子学生。片や逮捕された男は就職活動中のフリーターだ。勇気をふるって痴漢を捕まえた少女に当然ながら同情は集まる。果たして加瀬亮演じる主人公・金子徹平は無罪か有罪か。『Shall We ダンス?』の周防正行監督が痴漢冤罪裁判に注目し11年ぶりに放つ新作は裁判を通して矛盾だらけの日本の姿そのものをも浮かび上がらせる。見応え充分の作品である。