太田 忠司 大怪樹
「これは自分と世界との戦いなのだ」。 イカロスと名乗る若者は、マッド・サイエンティストの力を借り、新宿の街を覆い尽くさんばかりの巨木――ユグドラシルを生んだ。 人を殺し栄養分とするユグドラシルを、現代科学の黄昏と世界再生の象徴とする彼らに"宿少"のメンバーはどう対峙する!?
太田 忠司 追憶の猫
藤森涼子の勤める一宮探偵事務所では、所長の入院をきっかけに、所長代理の高見が経営方針の転換を図っていた。互いに意見の合わない涼子と高見は衝突を繰り返す。そんな折、涼子はある事件を通じて知り合った男と久ぶりに再会し、ふたりは親密になっていく。探偵をつづけるのか、別の道を歩むのか。悩む涼子のもとに、また調査の依頼がやってきて・・・・・・。
太田 忠司 笑う月
人は誰しもその心に闇を住まわせる。そしてまた一人、暗い闇を育てる者が――。中学二年生の久世伸弥は、夢を見た。巨大な笑う月と大きな鎌を持った人影に追いかけられる奇妙な夢。友人だけでなく、己さえも偽りながら日常を送る伸弥にとって、その夢はなぜか心をかき乱すものだった。そんな伸弥が、ふと目にとめた<レンテンローズ>という花屋を訪れた時、彼の運命の歯車が音もなく動き出した!伸弥の周りで連続する事件。追いつめられた彼の前に現れるのは真実なのか、それとも!?