Hyper Fun & Hobby -10ページ目

太田 忠司 月読

月読、それは死者の最期の言葉を聴きとる異能の主。故郷を捨て、月読として生きることを選んだ青年、朔夜一心と、連続婦女暴行魔に従妹を殺され、単身復讐を誓う刑事、河井。ふたりが出会ったとき、運命の歯車は音を立ててまわりはじめる。


太田 忠司 狩野俊介の記念日

イブの夜、九時、思い出の場所で待つ。堯子老人の元に届いた電報は、五年前に死んだはずの妻からのものだった。誰がそんなことをしたのか。単なる嫌がらせとも思えない。しかも彼には文面が告げる思い出の場所について、まったく見当がつかないのだった。石神探偵事務所を訪れた老人の依頼を受けた狩野俊介は、そこで誰かが待っているはずだ、と推理する本当に大切なものとは何か、それに気づいたとき四つの事件の鍵は開く。大人がいつのまにか失ってしまった心の忘れ物を描く心温まる連作ミステリー集。

太田 忠司 藍の悲劇

探偵霞田志郎が見合い!?――天才的推理で知られる"男爵"こと桐原が美貌の藍染作家・志賀織香(しがおりか)を霞田に紹介した。その矢先、彼女の師に当たる東藤(とうどう)が工房で毒殺。死体はなぜか頭部を藍甕(あいがめ)に突っ込んでいた。霞田は事件解決に挑むが、第二の殺人が! 藍染教室の生徒だった人妻の杉子が絞殺されたのだ。しかも死体の顔を青く塗られて。奇妙な殺人現場の謎を追う志郎の行く手には不気味な桐原の影が。華やかな伝統工芸界の暗部が浮かび上がったとき、犯人の魔手は織香へ伸びていた