外患誘致罪って、知っていますか。不勉強はわたしは、まったく知りませんでした。刑法にこうあります。

 

第81条[外患誘致] 外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。

第87条[未遂] 第八十一条及び第八十二条の罪の未遂は、罰する。

 

 読めばわかりますが、外国勢力(政府だけではないそうです)とはからって、日本を武力攻撃させると、死刑になるってことです。しかも、未遂でも死刑。すごいですね。

 

 これまで刑法にほとんど関心がなかったのですが、例えば殺人罪といっても、刑は懲役数年から死刑までいろいろあって、その種類によって重さが違ってくるわけです。それにしても、量刑として死刑しかないというのが、この罪のすごいところです。犯罪の種類として、どんな大量殺人と比べても、いちばん悪質ということなのでしょう。

 

 なぜそんなことを突然考えているかというと、ジェノサイド(日本の正式訳では「集団殺害犯罪」とされています)を日本で裁くことを想定し、いろいろと準備をしているからです。伊勢﨑さんが何年も前から言ってきたことですが、わたしもやっと取りかかるだけの時間とか気持の余裕がでてきたので。

 

 日本政府は、国際刑事裁判所(ICC)規程で定められたジェノサイドなども、現行の刑法で裁けると考えているみたいです。たしかに集団を殺害して裁かれないなんて、ちょっと想像もできません。実際に裁かれるでしょう。

 

 でも、どんな量刑になるのかなと考えた時に、「これはおかしいぞ」と思ったのです。ジェノサイドって、侵略などとあわせて、ICC規程でももっとも重大な罪に数えられています。だから、日本の政府指導者などがジェノサイドを煽ったとしたら、日本でもっとも重大な罪となり、最も重い量刑が与えられないとだめなのです。

 

 つまり、外患誘致罪と同じにならなければならない(おそらく)。未遂でもです。

 

 でも、刑法に明文で規定されていないのに、そういうことを裁判所が判断できるでしょうか。絶対にできっこありません。

 

 ICC規程を日本が批准する時、こういうことを政府や法制局などが想定しなかったわけはありません。それなのに、現行刑法でやろうとした。大問題です。

 

 ということで、明日、重要な発表をします。お楽しみに。