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トランプ大統領が矢継ぎ早に大統領令を乱発している。
TPPからの永久離脱を表明したかと思えば、オバマケアの撤廃、石油パイプラインの建設といったオバマ前大統領の政策をひっくり返している。
まさかと思われたメキシコ国境との壁まで建設し始めて、選挙期間中の公約を次々と実行に移している。
有言実行のように映るが、実際には過大評価されているものも含まれている。
 
TPPは2年以内にGDPが85%以上の国が6か国署名すれば発効する規定になっているので、アメリカが離脱すれば発効できないことになる。
だからTPPはもう終わりだという印象を与えているが、実際はこれとは大いに異なる。
たとえ2年以上経過しても、決してTPPが無効になる訳ではないのだ。
従って、将来的にアメリカがTPPに署名することは十分可能であり、永久離脱などあり得ない。
そのため日本および加盟国は、トランプ大統領を粘り強く説得する必要がある。
 
アメリカの大統領は国家元首であり、議会の承認なしに大統領令を出す権限があるが、予算の裏付けがないために実際の運営にはやはり議会の承認が必要である。
現状では上下院共に共和党が多数を占めているため波風が立っていないが、今後荒唐無稽な政策を出すようだと議会が反対に回る可能性が出てくるだろう。
メキシコ国境との壁建設には2兆円以上かかるとされ、議会がすんなり認めるとは思えない。
 
もっともこれらの政策を好感して、アメリカのダウは史上初の2万ドルを突破した。
日経平均株価もこれに引きずられる形で、再び上昇基調を取り戻してきた。
特筆すべきことは、この間円安は殆ど進んでいない点で、事実ドル建て日経平均株価はITバブル以降の最高値をつけた。
外国人投資家が戻ってきている証拠である。
トランプ大統領の言動には警戒しなければならないが、リスクオンムードは見極める必要があろう。
 
 
 

遂にトランプ氏が第45代アメリカ大統領大統領に就任した。

「アメリカを再び偉大にする。」と語った就任演説では、アメリカ第一主義を鮮明にしており、保護主義的な色彩が懸念される内容だった。

当選以降、期待先行で上昇してきた相場はどうなるだろうか。

 

実際のところ、就任演説の段階では株価や為替への影響は軽微であり、予算の大枠が示される2月上旬頃がひとつのポイントとなろう。

ここで選挙期間中のような大胆な政策を掲げてくるようだと、今後も上昇相場が期待できるが、現実的な路線に修正されるようだと、次第に息切れしてくるだろう。

もっとも、アメリカの経済自体は堅調であり、当面は堅調さが期待できよう。

 

懸念されるのはトランプ大統領の奔放な言動である。

当選直後こそ収まっていたが、最近では選挙期間中と変わらないトンデモ発言が相次ぎ、値動きが激しくなっている。

また、イスラム国(IS)との対立姿勢を鮮明に掲げており(明らかにアメリカファーストとは相いれないのだが)、地政学リスクに巻き込まれる恐れもある。

今後も神経質な相場展開は続きそうだ。

 

 

トランプ氏の矛先は、遂に日本企業にも向けられた。

トヨタがメキシコに工場を建設する事に対してツイッターで撤回を求め、さもなければ高関税をかけると脅したのだ。

この結果、6日の株式市場でトヨタが前日比1.7%下落したほか、日産は2.2%、マツダは3.2%下落するに至った。

 

端的に言って、トランプ氏のツイッターには誤解が多い。

メキシコの工場建設はアメリカ人の雇用を奪うと言っているが、そもそも今回のメキシコ工場はカナダにあった物の代替施設であり、アメリカとは何の関係もない。

また、メキシコに工場を建設する州の名前も間違っている。

だいたい、トヨタ車だけに高関税をかけるなど、WTOにもNAFTAにも違反するに決まっている。

それでも、大統領令で強行しようと思えばできてしまうのが厄介な点である。

 

もっとも、6日の株式市場で反応したのは自動車株だけであった。

日経平均株価は前日比で66円下落しているが、この日はファーストリテイリングが7%安で110円分押し下げており、この分を差し引くとむしろ上昇しているのだ。

トランプ氏への配慮など必要ないと、マーケットは見抜いている。

 

2016年の日経平均株価は年間で80円上昇し、2012年からの5年連続上昇となった。

トランプ氏の勝利で急騰したことで、記録更新は確実視されていたが、最終週にまさかの313円下落で、ヒヤヒヤの達成だった。

アベノミクスが始まったのが2012年11月からなので、まさに「政策に売りなし」を地で行った恰好である。

 

もっともこれは、1月4日と12月30日を比較して80円上昇していたという話であり、年間を通しては波乱の多い相場だった。

年初からの人民元急落、6月のBrexit、そしてトランプ大統領誕生と、外部環境に左右された1年でもあった。

だが、そのトランプ相場のおかげで5年連続上昇を達成できたのだから皮肉なものである。

 

2017年もトランプ相場が続くとの見方が多いが、果たしてそんな楽観的でよいものだろうか。

最近のトランプ氏は、当選した直後の抑制的な発言が影を潜め、元来の過激なスタイルに戻りつつある。

いつまでも円安を容認するとは考えにくい。

また、中国と対峙する姿勢も鮮明で、後々火種となりかねない。

相場の転換点は意外に早いかも知れない。

年末の急落がその兆候でなければよいのだが。

 

 

 

 

 

今年に入ってから分配金を引き下げる投信が多い。

11月には、最大純資産を誇るフィデリティUSリートが毎月の分配金を100円から70円に引き下げられ、それ以降解約が増えている。

それ以外にも、毎月分配金投信において分配金の引き下げが相次いでいる。

 

どうも誤解されている事が多いのだが、分配金というのは全てが儲けから出ている訳ではない。

言い換えると、分配金の多い投信は運用が必ずしも好調とは限らない。

利子や運用益から出ている分配金(普通分配金)と、自分自身の資産を切り崩している分配金(特別分配金または元本払戻金)を明確に区別しなければならない。

先のフィデリティUSリートは、ここ1年間の騰落率がマイナス約3%である。

にも拘わらず、毎月100円も分配金を出していたから、資産を約25%も吐き出した計算になる。

引き下げはむしろ遅きに失した感がある。

 

トランプ政権になってから経済は全て順調のように思われがちだが、実はリート市場には逆風となっている。

金利が上昇した事で、リートの高利回りが見劣りするようになったのだ。

従ってこれは、フィデリティUSリートに限った事ではなく、USリート全般に分配金引き下げ懸念がある。

USリートは日本人に大変人気があり、保有者が多い。

今後の生活に影響しないか・・・・