任意加入する事で国民年金加入期間が上限の480ヶ月を超えた場合の老齢基礎年金額。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちは!
年金アドバイザーのhirokiです。
 
 
 
国民年金は20歳から60歳前月の480ヶ月間はどんな職業の人であれ強制加入となっています。
 
 
その480ヶ月間完璧に保険料を納めた人は国民年金から満額の老齢基礎年金780,100円(令和元年度満額)が支給されます。
 
 
その国民年金をみんな共通の給付として支給しながら、厚生年金や共済に加入してきた人はその国民年金の給付の上に報酬に比例する(過去の給与に比例する)年金を支給します。
 
 
 
さらに企業年金などに加入してた人(確定拠出年金や基金、確定給付年金とか小規模企業共済とか)はその厚生年金や共済の上にもっと給付が高くなる。
 
 
さて、国民年金は20歳から60歳前月までの480ヶ月間は強制加入でありますが、過去に未納期間や免除期間があると金額が低くなります。
 
 
 
よって満額の老齢基礎年金が支給されない事になるので、更に60歳から65歳の前月の60ヶ月間の間に480ヵ月に到達するまで国民年金に任意で加入する事ができます。
 
 
まあ国民年金はどんなに加入しても480ヵ月という事です。
 
 
でもこんな場合はどうでしょうか?
 
 
20歳から60歳までに420ヵ月間国民年金に加入してちゃんと保険料を納めた、60ヶ月間は全額免除期間。
 
20歳から60歳まで一応、480ヵ月加入してますよね。
 
でも60歳から65歳まで任意で加入すると…加入期間が540ヵ月になってしまう。
 
 
じゃあどうするかって事です。
前に何度か記事に書きはしましたが、また考えてみましょう。
 
 
全額免除は老齢基礎年金の2分の1に反映してしまう
 
 
この2分の1給付は全額税金によるもの。
 
 
ちょっと試しに計算してみると、780,100円÷480ヵ月×(保険料納付強制期間420ヵ月+任意加入60ヵ月+免除期間60ヵ月÷2)=828,856円となって、本来の満額の780,100円を超えましたね^^;
 
 
もちろんそんな事はなくて、この場合は任意加入した分の全額免除期間を排除します。
 
 
過剰に給付した形となっている税金分を排除してます。
 
 
だから全額免除期間(60ヵ月÷2=30ヵ月)は省いて、計算するので満額の780,100円を超える事はありません。
 
 
じゃあ全額免除以外の半額免除や4分の3免除、4分の1免除はどうなるのか…というところを見ていきましょう。
 
 

 

1.昭和29年7月16日生まれの女性(今は65歳)

 ・何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)

 
 
20歳になる昭和49年7月から平成8年8月までの266ヶ月間は国民年金保険料納付。
 
 
平成8年9月から平成12年8月までの48ヶ月間は全額免除。
 
平成12年9月から平成16年4月までの44ヵ月間は厚生年金に加入。
 
 
なお、この44ヶ月間のうち平成15年3月までの31ヶ月間の平均給与(平均標準報酬月額)は25万円とし、賞与も年金額に反映するようになった平成15年4月から平成16年4月までの13ヶ月間の平均標準報酬額は28万円とします。
 
 
平成16年5月から平成19年6月までの38ヶ月間は国民年金半額免除とする(半額免除だから半額は保険料を納めないといけない)。
 
 
平成19年7月から60歳前月の平成26年6月までの84ヶ月間は夫の扶養に入って国民年金第三号被保険者となる。
 
 
さて、今まで国民年金には266ヵ月+48ヵ月(全免)+44ヶ月+38ヶ月間(半免)+84ヶ月間=480ヶ月間を満たす事が出来ました。
 
 
しかし、免除期間があるのでこのままだと老齢基礎年金は低くなってしまう。
 
 
現時点で老齢基礎年金はいくらになるのか。
 
 
なお直近10年以内なら免除期間の保険料を追納できますがそれをしなかったとして話を進めます。
 
 
780,100円÷480ヵ月×(納付394ヵ月+全額免除48ヵ月÷3+38ヵ月×2÷3)=780,100円÷480ヵ月×(納付394ヵ月+16ヵ月+25.333ヵ月)=707,506円
 
 
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※注意
平成21年3月までの全額免除期間は老齢基礎年金の3分の1に反映だったから、48ヵ月÷3=16ヵ月となり、半額免除は3分の2に反映して38ヵ月×2÷3=25.333ヵ月(小数点以下3位まで含む)。
なんで半額免除が3分の2になるかというと、6個のブロックで考える。
 
その6個のうち2個が税金とすると、6分の2=3分の1。
 
じゃあ残り6個のうち4個は個人が保険料納めるんですが、この保険料を半分免除すると4個納めないといけないのが2個で済みますよね。
 
だから自分6分の2個+税金6分の2個=6分の4個=3分の2となる。
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というわけで…60歳以降は任意加入するとしました。
 
まあ一応60ヵ月間任意加入するとします(本当は先に任意加入期間を決めてはいけないですが…)。
 
 
そうすると全体の加入期間は540ヵ月になる。
 
全額免除期間は48ヵ月あります。
 
この全額免除期間は480ヵ月からはみ出た期間は全部省く。
 
 
そうすると540ヵ月ー48ヵ月=492ヵ月
 
 
492ヵ月で、まだ480ヵ月より12ヵ月オーバーしてますね。
 
その492ヵ月のうち38ヵ月が半額免除。
このはみ出した12ヵ月分のところの半額免除は税金分を省いて、納めた保険料分だけ年金に反映させる。
 
 
つまり、6分の4-6分の2(税金)=6分の2=3分の1になって、本人が保険料負担した分だけ年金に反映する形。
 
 
残りの38ヵ月ー12ヵ月=26ヵ月は本来の半額免除(3分の2に反映)。
 
 
 
よって、任意加入を60ヵ月やった事による老齢基礎年金額を計算。
 
 
・老齢基礎年金→780,100円÷480ヵ月×(納付394ヵ月+任意加入60ヵ月+12ヵ月÷3+26ヵ月×2÷3)=772,515円
 
・老齢厚生年金(報酬比例部分)→25万円×7.125÷1000×31ヵ月+28万円×5.481÷1000×13ヵ月=55,219円+19,951円=75,170円
 
※追記
先に任意加入を60ヵ月する事にしてますが、任意加入する時点であと何ヵ月任意加入できるかを本来なら先に算出しなければならない。
よってあと何ヵ月任意加入できるかを年金事務所で聞いたほうが早い。
 
半額免除とかは一応支払った保険料分が反映するから、そうすると年金額としては必ずしも60ヶ月任意加入が可能とは限らないから。
 
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ここだけのオリジナルの濃い内容です。

7月17日の第94号は「保険料支払わなくても年金が貰える第3号被保険者はそもそも不公平ではない理由とその歴史的な仕組み」。

よく国民年金保険料を支払わなくても年金が貰えるという国民年金第三号被保険者(約900万人)は得してるとか、不公平だって批判されます。

元々はとても評価された制度だったんですけどね…^^;
働く女性が増えてきて感情的な不公平論が蔓延してしまったというか。

健康保険の扶養で保険料不要で医療が受けれるは批判されないけど、年金は批判される。。

保険料支払わなくても貰えるという部分だけで捉えると、それは不公平ってしか言えないですが、どうしてそのような制度になったのかを知ってもらうとあながち不公平ではないな…と思ってもらえるのではないかと。

これがそもそも不公平ではないというのは昭和60年改正の前の厚生年金の形と、昭和60年改正後の年金水準を知る必要があります。
そこを解説していきます。


7月3日発行の第92号は「長~く働いてきた人が本来の年金支給開始年齢よりも早く貰うと、全く違うやり方で有利に支給する」を発行しました。

7月10日発行の第93号は「100年年金安心改革の本来の意味と、国が2100年までの間で目指さなければならない事」を発行しました。



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