年金支給開始年齢まで待てないからさっさと年金貰っちゃったら思わぬ展開に!? | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちは!
年金アドバイザーのhirokiです。
 
僕は何ヶ月かに一回くらいはカップラーメンを食べる事がありますが、汁は7割くらいは残します。
塩分が多すぎるから。
そもそもラーメン食べる時は汁はできるだけ残す。
 
で、何ヶ月か前にペ〇ングっていう人気のカップ焼きそばを食べてみました。
なんかちょっと話題になってたんで一回食べてみました。
 
よくこの焼きそばってユーチューブでも人気ですよね(笑)
 
そんなにおいしいのかと思って食べてみたんですが、まあ…美味しかったけど普通のカップ焼きそばだった。
というかカップ焼きそばはカップラーメンよりも食べないようにしてます。
 
なぜかというと焼きそばは汁が残せないから、高塩分をそのまま体に取り入れてしまう事になるから。
だから、もう何年も前からカップ焼きそばには手を出さないようになった。
 
たまに気が向く事もあるけど…体に悪そうだなあという拒否反応が出るから結局やめとく(笑)
 
では本日の内容です。
 
 
前回は自分の年金支給開始年齢になり20年以上の期間のある厚生年金を貰うと、配偶者の年金が止まってしまう事をお話をしました。
 
今回はこのような年金の貰い方をするとマズい事になるという事のお話です。
 
 
最近の記事で65歳からの年金を貰うのを遅らせる事で毎月0.7%ずつ年金を増やして最大70歳まで待ったら42%増える事を書きました。
 
しかし、様々な制度上の壁が存在するため実際の利用者は2%にも満たりません。
そういう理由は先週の有料メルマガで明かしました。
 
 
ですが今回みたいに、まだ年金貰える歳ではないけども60歳に到達したからさっさと貰ってしまいたいという人はよく見かけます。
 
非常に多い。
 
 
本来の年金の支給開始年齢よりも早く年金を貰う年金の繰上げをする事でそれが可能です。
 
 
年金の繰下げは受給者の2%の利用者にも満たりませんが、この年金支給開始年齢より早く貰ってしまうという年金の繰上げの利用者は30%ほどもいます。
 
ただ、本来の年金支給開始年齢よりも早く年金を貰うので様々なペナルティがありますが、その中でもやはり年金額が下げられてしまいそれが一生続くというものがなかなか厳しいというか。
 
 
1ヶ月早く貰うごとに0.5%ずつ引き下げられていきます。
 
 
にもかかわらず早く貰いたいという人は多いんですね。
 
 
かといって迂闊にそれをやっちゃうと思わぬデメリットもあります。
 
 
というわけで今回はそれを見ていきましょう。
 
 
1.昭和28年7月12日生まれの男性(今は65歳)


老齢厚生年金額は120万円。
老齢基礎年金は70万円。
なお、65歳未満の配偶者が居るので配偶者加給年金389,800円が老齢厚生年金に加算されている。
 
あと18歳年度末未満の子17歳、15歳、5歳(養子)の3人の子が居たため、子の加給年金224,300円×2人+74,800円×1人も加算されていた。
 
 
あんまり老齢の年金に子の加給年金が付いてる人はほぼ見た事ないですが、今回付けてみました^^;
 
年金総額は2,813,200円。
 
会社は60歳の平成25年7月に定年退職した。
厚生年金期間は平成25年6月まで。
 
次に妻の年金記録。
 
 

 
2.昭和41年4月6日生まれの女性(今は52歳)
 
18歳年度末を迎える月の翌月である昭和60年4月から平成19年8月までの269ヶ月厚生年金に加入した。
なお、昭和60年4月から平成15年3月までの216ヶ月の平均給与(平均標準報酬月額)は31万円とし、平成15年4月から平成19年8月までの53ヶ月間の給与と賞与の合計額の平均である平均標準報酬額は42万円とします。
 
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※注意
この女性が20歳になるのは昭和61年4月から。
ここから国民年金にも強制加入となる。
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平成19年9月から現在の夫の扶養に入って平成25年6月までの70ヶ月間は国民年金第三号被保険者(国民年金保険料を納める必要は無いけど支払ったものとなる)。
 
 
平成25年7月から60歳前月である平成38年(新年号8年3月)までの153ヶ月は国民年金強制加入期間は4分の1免除だったとします(老齢基礎年金の8分の7に反映)。
 
 
さて、この女性の生年月日から見ると年金支給開始年齢は厚生年金も国民年金(基礎年金)も完全に65歳からとなります。
国民年金は昭和36年4月に始まった当初から元々65歳支給ですが^^;
 
しかしこの女性は60歳になる新年号8年4月にもう早速年金を貰う事を考えていた。
 
 
とりあえず、65歳時点のそもそもの本来の年金額。
 
 
・老齢厚生年金(報酬比例部分)→31万円÷1000×7.125×216ヶ月+42万円÷1000×5.481×53ヶ月=477,090円+122,007円=599,097円
 
老齢厚生年金(差額加算)→1,625円×269ヶ月ー779,300円÷480ヶ月×(20歳から60歳までの厚生年金期間257ヶ月)=437,125円ー417,250=19,875円
 

老齢基礎年金→779,300円÷480ヶ月×(20歳から60歳までの厚生年金期間257ヶ月+国民年金第三号被保険者期間70ヶ月+4分の1免除期間153ヶ月÷8×7)=779,300円÷480ヶ月×460.875ヶ月(小数点3位まで)748,250円
 
 

年金総額は老齢厚生年金(報酬比例部分599,097円+差額加算19,875円)+老齢基礎年金748,250円=1,367,222円(月額113,935円)
 
 
ちょっとここで考えてもらいたいんですが、この女性は240ヶ月以上の厚生年金期間がありますよね。
 
 
という事はこの年金を貰い始めると配偶者加給年金が停止という事態にはなりますが、この女性自体はそもそも65歳からの年金支給だから普通にこの女性が65歳になるまでは配偶者加給年金389,800円は加算され続ける。
 
 

 
 
ところが、この年金を60歳到達したら年金額が下がってでも貰おうと考えた(年金の繰上げ)
 
本来の年金支給開始年齢65歳よりも5年(60ヶ月)早く貰うから、0.5%×60ヶ月=30%減となる
 
60歳からの老齢厚生年金(報酬比例部分)→599,097円×(100-0.5×60ヶ月)%419,368円
 
60歳からの老齢厚生年金(差額加算)→19,875円×70%=13,913円(←5,962円の減額)
 
ただし、差額加算の減額分5,962円は報酬比例部分419,368円から引くので差額加算19,875円は全額支給。

なぜ差額加算自体は減額されないかというと、当分の間は差額加算の減額分は報酬比例部分から差し引いて、差額加算自体は全額支給するという定めがあるから。
 
 
60歳からの老齢基礎年金→748,250円×70%=523,775円
 
 
よって、60歳からの年金総額は老齢厚生年金(報酬比例部分419,368円ー差額加算の減額分5,962円+差額加算19,875円)
+老齢基礎年金523,775円=957,056円(月額79,754円)
 
 
月額としては4万円程も下がってしまいましたね^^;
 


 
でもそれだけではありません。
 
 
240ヶ月以上ある厚生年金を本来の年金支給開始年齢より早く貰ったことにより、夫の配偶者加給年金が停止になってしまう。
 
なお、上の2人の子供は既にこの頃は18歳年度末を過ぎている為に子の加給年金は消滅している。
 
3人目の子はまだ13歳くらいだから、この3人目の養子の子供の加給年金はまだある。
 
 
よって、妻が60歳の翌月(新年号8年の翌月である5月分)から、夫の年金額は老齢厚生年金120万円+老齢基礎年金70万円+子の加給年金224,300円(←74,800円ではない)=2,124,300円となる。
 
 
 
なので、老齢の年金は60歳に到達した時に老齢の年金を貰う受給資格10年以上を満たしていれば、誰でも本来の年金支給開始年齢よりも早めに貰う事はできますが結構年金額が下がっちゃうし今回のように配偶者の加給年金が止まってしまう事もあるので慎重にお願いします。
 

しかしそういうデメリットがあるにもかかわらず、年金の繰上げの利用者はかなり多いんですよね…キョロキョロ
 

それでは今日はこの辺で〜
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ここだけのオリジナルの濃い内容でお送りしております。

 
11月28日発行の第61号は「65歳以降の年金貰うの遅らせて増やそうとしてたけどその最中に死んでしまった!その後の年金給付の大切な流れ」
 
前回は65歳から年金を貰うのを遅らせれば年金を増やせるという話が実はそう簡単には機能しないという事を事例から説明させていただきました。
 
年金はそう都合よくは出来てはいないという事でですね^^;
 
じゃあ何も年金貰ってないそんな最中にもし死んじゃったらどうなるの!?という事ですが、そうなると貰い損になります。
 
まあ、、今まで何度も言ってる事なんですが老齢の年金は「いつまで長生きするのかわからないリスク」に備えた保険なので、損得勘定はそもそも適切ではありません。
 
ただ、残された家族としては今まで貰ってなかった人が亡くなったりすると、急に巨額の年金が発生したりするので、そういう面を見ながら本人死亡後の年金の取り扱いを見ていきたいと思います^^
 
今回も年金はそう都合よく出来てはいないんですよ!っていう面を分かっていただけるはずです。
 
 
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