もう年金は要らないから今まで支払った年金保険料返してもらえる?…わけない(笑) | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

おはようございます!
年金アドバイザーのhirokiです。
 

僕はあまりお腹が強くないので、よくトイレを気にします。
トイレがそう簡単に行けない状況になるとソワソワする。
僕の過去記事を見てくれてる読者の皆様ならわかるかもしれませんが、急にお腹痛くなってトイレに急行する事があります。
 
なぜそうかというと、昔、難病指定の潰瘍性大腸炎という病気を患い、酷い出血と下痢で、近くにトイレが無いととてもじゃないけどまともに出歩けない経験があったから。
3回くらい再発してから、もう8年くらいは再発してませんがその時の恐怖が頭の隅にあるというか。
さすがに、腸は第二の脳というだけあって敏感やね。
 
あ、この恐怖心も大祓詞を読み上げる時に神様に祓ってもらうようお願いすればいいんだ(´▽`)!
って最近思いついた(笑)
 
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では本題です。
 
 
よく、年金の事に対しては批判的な話は多いですが、もう年金なんていらないから保険料返せ!っていうような声もありますよね。
 
 
ちょっと話が遠回りになりますが、2009年だったかギリシャが財政破綻しましたよね。
 
今の日本もものすごい借金だからもう年金が貰えないと不安になってる人もいるかもしれませんね。
 
 
ギリシャと今の日本を比べるのもどうかと思いますが、ギリシャというのはかなり日本とは異なる状況にありました。
 
ギリシャは国家財政の粉飾決算をしていて、つまり会社だとしたら儲かってないのに儲かってるように国が見せかけていた。
 
 
借金がそんなにないよって話だったが、本当は物凄くあった。
確かGDPの4%くらいとか言ってたのに本当は13%はあったという話。
 
で、ギリシャの国債の格付けっていうのかな、信用がガタ落ちしたんです。
この国の国債はヤバイとなって信用が無くなる。
 
 
だから、国債を買う時っていうのは日本は信用があるからそんなに金利は高くなくて国民に買ってもらえるけど、ギリシャは信用ガタ落ちで金利30%は付けてもらわないと買ってもらえなくなってしまった。
金利30%も付けてお金返したら、3年ももたないうちに倍にしてお金返せって話になりますよねキョロキョロ
 
それじゃあ国としてやっていけないから、ギリシャの財政破綻となってしまった。
 
まあ、その後ドイツやフランスが財政支援をしたんですが、ギリシャも努力せーよ!って話で、いろいろ経済を切り詰めるわけです。
まず年金制度。
 
 
ギリシャの年金制度はものすごく豊かなものでした。
高齢者天国。
 
 
それこそ、退職した時にその時の現役の賃金並みに保障しようとかいうもの。
だから、ギリシャが財政を立て直そうとして年金を切り詰めようとして高齢者からの反発が凄かったというか…汗
 
日本だと、年金水準は現役時代の50~60%くらいを目安にしてますが、それは保険料納めた期間や額によって人それぞれ給付が異なるようなもの。
 
 
あと、ギリシャは脱税が当たり前のように横行していた国だったから税収も十分入ってこないし、国家公務員はどんどん増えるような国だったから無茶苦茶だった。
 
だから、日本と同じように考えるような国じゃない。
 
 



おっと、あまりどうでもいい話が長くなりましたが、年金保険料を返せっていうのは今の日本の公的年金制度には無いんですが(経過的にあるといえばある)、そういうのがあった事はあります。
 
 
今の年金制度の場合は、原則の保険料納付済期間+免除期間+カラ期間≧10年(平成29年7月までは25年)あれば老齢の年金に関しては出ます。
 
さらに、厚生年金期間が1ヶ月以上あればその分も65歳から出る。
1年じゃなくてここは1ヶ月ですからね^^;
 
 
まあ、原則を満たした上で厚生年金期間もしくは共済組合期間が1ヶ月でもあれば厚生年金も65歳から貰えるという事ですね。
 
 
もし原則を満たした上で、厚生年金期間か共済組合期間、もしくはその両者で「1年以上」を満たせば男子なら昭和36年4月1日以前生まれの人、女子なら昭和41年4月1日以前生まれの人なら生年月日に応じて65歳前から厚生年金が支給される。
 
 
 
 
厚生年金期間が1ヶ月でもあれば年金支給しますよとなったのは、昭和61年4月から。
 
 
その前、昭和61年3月31日までの厚生年金というのは原則20年を満たさないと貰えない年金だった。
 
 
とはいえ、昭和36年4月に保険料支払うタイプの国民年金制度ができてからというもの、一応保険料納めた期間くらいは年金出そうという制度にはなりましたから掛け捨てという心配は随分なくなったんですけどね爆  笑
 
 
つまり、例えば国民年金期間が15年あって、厚生年金期間が10年あれば原則の25年になるから、その10年分の厚生年金や15年分の国民年金を支給しようという期間を通算した年金が支給という事になった(通算年金)
 
通算年金というのは単純に別々の年金制度の期間を繋ぎ合わせるようなもの。
 
 
しかし、昭和61年4月から国民年金を文字通り国民共通の基礎年金として、その国民年金の上に厚生年金を乗っけて支給する事で国民全員(一部除く)に国民年金加入が実現したから通算する必要が無くなった。
だから通算年金というのは昭和61年4月から廃止された。
94歳以上くらいの人なら通算年金が支給されてる人はまだいます。
 
 


 
とはいえ、そうなるまでは厚生年金は20年満たしてくださいねって話だったから、今まで支払った厚生年金保険料を返して年金は将来は貰わないという事もできた。
 
 
その保険料を返すものを、「脱退手当金」と言いました。
 
 
 
特にこの脱退手当金というのは、女子のためにあったようなものですねキョロキョロ
 
 
なぜかというと、昭和の時代は女子で厚生年金期間20年を満たすなんていう人は非常に少数派だったからです。
 
 
 
寿退社をしたら、その後再就職なんて考えられない時代だった。
 
 
今はよく専業主婦って働く女性から叩かれますけど、昭和の専業主婦はホントに忙しかった。
 
 
だって洗濯機もないし、炊飯器もないし、育児もあるしでとにかく家事で一日潰れるわけです。
 
 
今現代のようにボタン一つで何でもやってくれるようなモノはなかった。
 
 
しかし、昭和30年代から洗濯機や冷蔵庫、白黒テレビとかが出てくるんですね。
 
当時は三種の神器って言われてましたけどね。
 
 
昭和40年代になると、3Cっていってクーラー、カラーテレビ、カー(車)が出てきて経済成長のおかげで主婦の負担もだいぶ軽減されるようにはなった。
 
 
 
とはいえですね、昭和の時代の考えは男は外で働いて、家事は妻に任せっきりというのが当たり前みたいな考えだったので専業主婦の負担が取っ払われたわけではなかった。
 
 
今じゃだいぶ聞かなくなりましたけど、亭主関白が多かったわけですね。
 
まあ、ひと昔前の人に聞いたら育児家事?した事ねーよ(笑)みたいな男性は多いのではないでしょうか^^;
 
 
さて、そういうわけで、女子にとっては厚生年金に加入したとしても一旦家庭に入るともう再度厚生年金には加入は考えにくい時代だったので、そのために脱退手当金という納めた保険料を返しましょうという制度があったわけです。
 
 
 
昭和29年5月から昭和53年5月までに関しての厚生年金期間だったら、2年以上厚生年金期間があれば女子は年齢に関係なく脱退手当金が貰えた。
 
これは女子に存在する特例。
今も、もしこれに該当するなら年齢制限無しで貰える。
 



普通は昭和16年4月1日以前生まれで、5年以上の厚生年金期間があって、60歳以上で、老齢の年金貰う資格無いし、障害年金の受給権も無いっていう人くらいしか脱退手当金貰えない。
 
 
 
とはいえ、平成29年8月から老齢の年金が貰えるための原則25年以上が10年に短縮されたから、貰える人はほぼ皆無です^^;
 
ていうか、25年以上の時代(平成29年7月までの制度)でも脱退手当金に該当してる人はほぼ見た事なかった。
 
 
脱退手当金を貰った期間は厚生年金に加入しなかったものとされますが、昭和61年4月から厚生年金期間が1ヶ月でもあれば年金に反映されるようなものに変わったから、一応年金受給資格期間に含むだけのカラ期間にはなる。
 
 
加入した厚生年金期間を脱退手当金として貰った期間がカラ期間になるのは、昭和36年4月以降の期間(20歳未満の期間でもいい)で、昭和61年4月以降65歳になるまでに、年金保険料を納めたり免除期間が存在した場合。
なお、脱退手当金を昭和61年4月以降に請求して貰った人はカラ期間にはならない。
 
 
というわけで、もう今まで支払った保険料返せ!っていうのは、今の年金制度には無いと思ってもらったほうがいいですね~ニヤリ
 


 
※編集後記
余談ですが、今の第三号被保険者制度が年金保険料支払わなくても将来の年金額に反映されるからよく批判されますよね。
そういう時代の専業主婦の女性にも離婚した場合等にちゃんと自分名義で年金が出るようにしたかったから創設されたものであり、一方的に第三号被保険者を悪者扱いにするのは不適切。
 
そもそも、第三号被保険者制度は世帯収入が同じであれば年金額が一致するから別に優遇されてるわけじゃない。

また、財源にしても夫の厚生年金保険料から支払われているという形。
 
女性の社会進出が今や当たり前になり、厚生年金加入条件が緩和されていってるので、そういう第三号被保険者制度の意義も薄らいでくるかもしれませんが、働きに出たくても出れなかった時代の専業主婦の年金を確立するためにも廃止しろというのは酷い話ですよね。
ちょっと皆さん感情的にならないように^^;
 
 
それでは今日はこの辺で~
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