遺族年金貰えるわけないと思ったら普通にまとまった金額が請求できたって話。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちはー
年金アドバイザーのhirokiです。


昨晩ドラッグストアに買い物行った時に僕の目の前のおばあちゃんがお釣りを「お釣りはいらんいらん!よかよかー!」って行って拒否してものすごい勢いで去っていくからビックリしました^^;

レジのお姉さんが僕に少しお待ちください!って言って、走って「お釣りです!お釣りです!待ってくださーい!」とおばあちゃんを追っかけて行きました(笑)



おばあちゃんとしては善意のつもりなんだろうけどあれは店側としては困るよね…(^^;)はは


と思いながら、他の店員さんがすぐ来て僕のを精算してくれました


では本題です。



人が亡くなった時の遺族補償は遺族年金が真っ先に思い浮かぶと思いますが、遺族年金は単に死亡したら遺族に必ず支給されるわけではありません。


死亡者の今までの年金保険料納付記録とかの条件を満たさないといけません(既に年金保険料納付期間+免除期間+カラ期間≧25年以上あるなら問題無い)
※注意
老齢年金のように10年以上ではない。



今回はどこをどう見ても満たしてないだろ!?っていうような場合だったのに貰えちゃった-(。A。)-!!みたいな事例。

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1.昭和29年6月5日生まれの男性(今は63歳)
・何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)

55歳の妻有り(8年前に婚姻)。
18歳年度末未満の子はいない。



この男性が20歳になる昭和49年(1974年)6月から平成2年(1990年)6月までの193ヶ月間は国民年金保険料全額免除。



平成2年7月から60歳到達月の前月である平成26年5月までの287ヶ月間は未納。
60歳までは国民年金に強制加入で国民年金保険料納付義務がありますが、60歳到達月以降は国民年金には加入しなくてよくなる(保険料納付義務がなくなる)。



60歳以降というのは年金に加入する必要がない期間。



で、63歳になって初めて厚生年金に加入した(平成29年6月から)。
給与(標準報酬月額)は月額30万円とします。
賞与は無しだった。



しかし、12月31日に厚生年金加入中に死亡してしまった。




遺族である55歳の妻に遺族年金は貰えるのか?



遺族年金を貰う条件である年金保険料納付期間+免除期間+カラ期間≧25年は満たしてないから無理。



じゃあ、別の保険料納付要件である死亡日の属する月の前々月までの保険料を納めなければならない期間がある場合はその3分の1を超える未納はない事が必要ですが、どう見ても無理(笑)

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しかし、保険料納付要件の特例がある。


死亡日の属する月の前々月までの直近1年間に未納が無い事(65歳未満の人に限る)。


つまり、平成28年11月から平成29年10月までの間に未納がなければ遺族年金が貰える。



この男性は平成29年6月から平成29年10月までは厚生年金加入だけど、60歳を超えていた平成28年11月から平成29年5月までの期間は年金に加入する必要が無かった期間


平成28年11月から平成29年5月までの7ヶ月は未納とみなされるのか?


この期間は未納扱いとはなりません。



よって、直近1年以内に未納がないものとして特例を満たす。




だから、妻に遺族厚生年金が支給される。

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いくらになるのか。

平成29年12月31日に死亡してるから、この12月31日が遺族厚生年金の受給権発生日にはなり、遺族厚生年金は請求により翌月1月分からの発生になりますが、厚生年金から外れる(喪失)のは翌日の1月1日だから平成29年6月から平成29年12月までの7ヶ月で計算する。



よって、(30万円÷1000×5.481×7ヶ月)÷7ヶ月×300ヶ月×3÷4=369,968円(月額30,830円)



なんで7ヶ月が300ヶ月になってるかというと厚生年金加入期間中の死亡は300ヶ月最低保障があるから。



更にこの死亡時点で、妻が40歳以上65歳未満だから定額の中高齢寡婦加算584,500円も加算。



よって、遺族年金総額は遺族厚生年金369,968円+中高齢寡婦加算585,400円=955,368円(月額79,614円)となる。


65歳以上になると中高齢寡婦加算585,400円は消滅する。


65歳以降は妻自身に老齢基礎年金が貰えるようになるから。



なお、65歳以上は遺族厚生年金は老齢基礎年金と同時受給が可能ですが、仮に妻が10万円の老齢厚生年金が貰える場合は遺族厚生年金がその額停止される。


つまり、(遺族厚生年金369,968円-妻自身の老齢厚生年金10万円)+妻自身の老齢厚生年金10万円+老齢基礎年金となる。

だから、この時支給される遺族厚生年金は269,968円になるという事。


これを先充て支給という。





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明日は12月分第1号発行ですが、老齢基礎年金の計算方法と増やし方。
でも内容はかなり濃いです(笑)
普通は国民年金は最大480ヶ月が加入限度であり支給も480ヶ月じゃないとダメなんですが、480ヶ月加入期間を超える人もいるんですね。
たぶんこの年金額の出し方は専門家であってもほとんどの人が知らないけど、知っておくと便利。
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