65歳未満の老齢厚生年金と失業手当の貰い方はちょっと変則的でややこしい。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちはー
年金アドバイザーのhirokiです。


毎日暑くてたまりませんね(;´∀`)
水分補給量が毎日半端ないですが(万能茶っていう麦茶みたいなの)、よく利用されるのにスポーツドリンクがありますよね。
素早く水分補給する為に。
でも、あれはスポーツをしてる人やよく体を動かす人ならともかく通常の日常生活で飲み過ぎるのは危険です。

なぜならペットボトル症候群という糖尿病を引き起こしかねないから。
あれは素早く水分補給に適した飲み物ではありますが同時にとてつもない糖分も含んでる。
だから僕の場合は年に数回飲む程度で、よっぽど喉カラカラですぐにでも飲みたい時だけ飲んでます。

まあ単にジュース類があまり好きじゃないからというのもありますが…

たまに飲んでるのは冷たいロイヤルミルクティーかなぁ(*´д`*)ジュースじゃないけど。



というわけで本題です!

65歳誕生日の前々日までに退職すると、ハローワークに求職の申し込みをする事で失業手当(正式名は基本手当)を貰う事ができます。
離職の日以前2年間の間に12ヶ月以上(自己都合退職や懲戒解雇等以外は離職の日1年間の間に6ヶ月以上)の雇用保険被保険者でないといけないですが、満たしてるものとして話を進めます。




なお、65歳未満の老齢厚生年金と失業手当は同時には受給出来ず、貰うとすれば失業手当優先になり、年金は停止になります(平成10年3月31日までは同時受給ができましたが過剰な社会保障になるから平成10年4月1日からは同時受給不可になった)。

年金を貰いたければ求職の申し込みをしてはいけない。
ただし、65歳以降の老齢厚生年金と失業手当は同時にもらえる。



というわけで、失業手当を貰う場合の年金の支給の仕方等を見てみましょう。


1.昭和31年8月18日生まれの男性(来月17日が61歳到達日)
※何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)


厚生年金の受給開始年齢である62歳の支給開始年齢到達日で退職する。


勤めた期間は38年間で、62歳から貰う老齢厚生年金(報酬に比例する部分)は1,300,000円(月額108,333円)の予定。

65歳からは老齢基礎年金701,370円の予定(20歳から60歳までの厚生年金期間36年間で算出してます)。
779,300円÷480ヶ月×432ヶ月=701,370円




また、退職してからはハローワークに求職の申し込みをして失業手当を受給するつもり。



失業手当の金額を出してみると
退職前6ヶ月の平均賃金は350,000円とします。
これを賃金日額で出すと、11,666円(1円未満切捨て)。


で、失業手当は賃金日額11,666円×45%=5,249円(1円未満切捨て)
この男性の勤務年数から見ると給付できる日数は240日間。
ちなみに自己都合退職だと150日間。

※注意
賃金日額や失業手当日額は上限がある。毎年8月1日に変わる。
※平成29年8月からの基本手当日額等(厚生労働省)


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失業手当または年金のどちらを貰った方が得なのかは、日額を年額に直して比較するといい。
この人なら、5,249円×365日=1,915,885円>年金1,300,000円だから失業手当を貰った方が得。
それに、失業手当は非課税。



ただし、失業手当は貰うなら原則として退職日の翌日から1年以内に貰い切らないといけない。



ところがこの男性は62歳になって年金請求し、しばらく働きたくないし貯蓄と年金(月額108,333円)でのんびりしようと思って求職の申し込みはやめといた。





ちなみに、60歳以上の人は退職してから2ヶ月以内に受給期間延長申請書という書類と離職票を添付してハローワークに出しておけば、失業手当貰う期限の1年が最大2年まで延長される。


だから、平成29年8月18日が退職日の翌日だからそこから2年間延長。




というわけで2年間まで延長していたが、10ヶ月後の平成30年6月3日に求職の申し込みを行なった(この日から1年以内がリミットになる)。

となると7月分の年金から全額停止。
※注意
7月分の年金から停止するが、8月15日に年金が支払われる事があります。
この男性の場合求職の申し込みを行なった6月分の年金は停止にならないので普通に8月15日に支払う。
なお、処理の関係上停止されるはずの7月分も支払われる事がある(つまり過払い)
よく起こりますが、後で支払われるようになった年金から過払い金を差し引くから損も得もしない。





240日分貰うから順調に貰うなら8ヶ月間(平成31年2月まで)年金が停止する事になります。



ところが、平成30年11月20日に再就職(厚生年金加入無し)したから失業手当貰う必要がなくなってしまった。
仮に再就職まで貰った失業手当は146日分とします。



もう失業手当貰わないし、年金は停止しないでほしいところですが、求職の申し込みをしてしまった以上、失業手当を貰い切るか、または受給期間の満了(平成31年6月3日)のどちらか早いほうを迎えなければ年金の停止は解除されない。



この人の場合は平成31年6月3日を経過するまで待つしかない。

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が、その間全く年金が支払われないかというとそういうわけではなく、3ヶ月間全く失業手当を貰わない場合は4ヶ月目に年金を支払う「年金の確認払い」を行う。


この男性は11月に再就職して平成30年12月分から平成31年2月まで失業手当貰わないから、その3ヶ月間失業手当が支払われていない事を確認して平成31年3月15日(年金支払いは奇数月でも15日)に平成30年12月分の1ヶ月分の年金を支払う。



その後も1月分の年金は4月15日に、2月分は5月15日に、3月分は6月15日に、4月分を7月15日に…というふうに毎月年金を支払うという変則的な支払いをやる。



その間に失業手当の受給期間の満了日である平成31年6月3日を迎える事で、年金の停止は6月を最後に解除され7月分の年金から通常支給になる。





その後にあんまし今まで失業手当貰ってないのに、年金を止めすぎた月がある場合は事後精算というのを行う。





この男性は平成30年7月から平成31年6月までの12ヶ月間年金が止められているから、失業手当貰った日数に対して年金止めすぎたかな?って場合に年金を支給するのが事後精算。





ただし、受給期間満了日までの12ヶ月間の間に年金の確認払いを平成30年12月分から平成31年4月分(この4月分は7月15日確認払い)までやるからこの5ヶ月分を停止月数12ヶ月から引く。



※事後精算→年金停止月数7ヶ月-失業手当146日分÷30日=7ヶ月-4.8ヶ月(端数切り上げ)=2ヶ月分の年金直近の停止月から解除されて支給される



つまり、平成31年5月分と6月分の年金停止が解除される。




事後精算の処理は受給期間満了日の翌日の属する月の翌月に行い、止めすぎた年金があるなら支払いは更にその翌月に行う。



というわけで、平成31年6月3日の受給期間満了後は、今までの流れで7月15日に4月分の1ヶ月分が確認払いされ、8月15日に5月分と6月分の2ヶ月の事後精算分の年金と停止解除後の通常支払いの7月分の年金合計3ヶ月分×108,333円=324,999円が支払われる。

まあ、おおむね支払いサイクルはこんな感じですが、事後精算はズレる事もあるので
あくまで目安という事でお願いしますニコニコ


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※追記
障害年金や遺族年金は失業手当と同時受給が可能。
ただし、障害年金2級以上の人は労務不能と医師に診断されている場合が割とあるので(特に内部疾患とか精神疾患)、求職の申し込みをする時にハローワークで受け付けてもらえない場合があります。
もちろん障害年金と失業手当の同時受給するのは何の問題もないですが、失業手当は職に就く能力(健康上職に就けて就職の意思もある)があるにもかかわらず職に就けてない人が受給するものなので、求職の申し込みをする時に労務不能である状態だと受け付けてくれない場合がある。
つまり障害年金貰ってるから失業手当は受けれません!という問題ではなくて、健康上職に就けないと医師が診断してるのに失業手当を貰うために求職の申し込みをしようとする時にスムーズにはいかないという事。
普通は、傷病が回復して職に就ける状態になるまで失業手当の受給期間を延長する事になる(最大4年間延長の間に求職の申し込みをする)。


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