65歳以後に働いて自分の年金が増額したら遺族厚生年金の算出方法が変更する事もある。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

おはようございます。
年金アドバイザーのhirokiです!



2〜3日に1度やってる夜のジョギングは大抵8キロやるんですが、もう暑すぎて汗かきすぎて最近は7キロあたりで意識朦朧としてくる事がたまにあります。
本当は8キロは走りたいんですが、なんだか6キロあたりでフラ〜ッとくるので最近は7キロで止めてます(^^;;
熱中症は危険だから無理はしません。
っていうか7キロあたりでもう、シャツが汗でビッチョビチョあせるあせる

でもコレがサッパリしていいんですよ
ウインク




というわけで本題です。


65歳になると老齢厚生年金と老齢基礎年金という老齢の年金だけでなく、遺族厚生年金も合わせて支給されるような形も可能にはなりますが、配偶者が遺族厚生年金を貰えるようになる場合はすこーし異なる場合があります。

そんな場合を見ていきましょう。



では事例。


1.昭和27年7月19日生まれの妻(今65歳)
※何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)


この妻の年金受給額。
老齢厚生年金500,000円(厚生年金期間はとりあえず260ヶ月とします)。
65歳になって老齢基礎年金700,000円も発生。

60歳の時に定年退職でそれ以後働いてはいない。





なお、65歳になって亡き夫の遺族厚生年金722,045円と経過的寡婦加算77,955円(これも遺族厚生年金の部類)の合計額800,000円も合わせて貰えるようになったが、65歳以降の年金の貰い方は老齢厚生年金500,000円分が遺族厚生年金額から引かれて差額が支給されるため遺族厚生年金額は300,000円となる。


※注意
経過的寡婦加算というのは、妻の生年月日により金額が決まっている(昭和31年4月1日以前生まれの妻のみ)。
ちなみに経過的寡婦加算が支給される為には、原則として亡き夫の厚生年金期間が20年以上あるか、厚生年金加入中の死亡等の条件が必要だから誰でも貰えるわけではないです。






だから妻の65歳支給総額は(遺族厚生年金額800,000円-妻の老齢厚生年金500,000円)+老齢厚生年金額500,000円+老齢基礎年金700,000円=1,500,000円(月額125,000円)
ちょっとなんとなく回りくどい計算をしてますが、これを年金の先あて支給と言います。


{0CB67A06-9420-4C84-B1B9-D793325AF8A4}



ちなみにこの妻は66歳からひょんな事で厚生年金に加入して働く(在職)する事になった。

給与月額(標準報酬月額)は110,000円で賞与は無し。
とりあえず69歳までの36ヶ月働く事になった。
※年金で超重要な標準報酬月額とか標準賞与額って何!?(参考記事)




65歳以降に厚生年金に加入して働くと老齢厚生年金が給与月額と賞与を月換算した額と厚生年金月額の総額により老齢厚生年金がカットされる事があるが、この妻の場合は老齢厚生年金月額41,666+給与110,000円<46万円なので、老齢厚生年金が停止される事は無いです。
46万円は支給停止調整額といって毎年度変わる場合もありますが、この額を超えなければ老齢厚生年金は停止されない。





さて、36ヶ月働いてこの女性の老齢厚生年金額が再計算される時に年金の内訳が色々変化します。




まあ、とりあえず36ヶ月働いた分の老齢厚生年金(報酬に比例して増加する年金分)が110,000円÷1000×5.481×36ヶ月=21,704円増加。


更に、経過的加算という老齢厚生年金の部類に入る年金が増える。
経過的加算1,625円(平成29年度定額単価)×36ヶ月=58,500円


21,704円+58,500円=80,204円の老齢厚生年金が増額。



よって退職日の翌月から、老齢厚生年金が500,000円から580,204円に変更されます(年金の退職時改定という)



老齢厚生年金が退職時改定で500,000円から、580,204円まで増えましたよね。




この時に遺族厚生年金のもう一つの計算式で年金額を変化させます。



最初の時は遺族厚生年金800,000円(経過的寡婦加算含む)から単純に老齢厚生年金500,000円を引いて差額の遺族厚生年金300,000円を支給する形でしたが、もう一つ計算式があってその別の計算式とこの単純な支給のやり方のどちらか多いほうを支給します。


{31B8D6AF-C68B-4622-91B6-408DC91642BB}



その別の計算式を算出すると…




{遺族厚生年金800,000円(経過的寡婦加算77,955円含む)÷3×2+老齢厚生年金580,204円(経過的加算58,500円含む)÷2}=遺族厚生年金533,333円+老齢厚生年金290,102円=823,435円←(老齢厚生年金を含んで計算していますが、これが新しい遺族厚生年金額となる)





この亡き夫の遺族厚生年金800,000円を3分の2にした額と、この妻の老齢厚生年金を2分の1を加えた額で算出した遺族厚生年金823,435円が当初の遺族厚生年金800,000円を超えました。



つまり、この妻は69歳からの遺族厚生年金は800,000円から823,435円のほうに変更します。
こっちで計算した遺族厚生年金が高いからヽ(•̀ω•́ )ゝシャキン




よって(遺族厚生年金823,435円-妻自身の老齢厚生年金580,204円)+妻の老齢厚生年金580,204円+老齢基礎年金700,000円=1,523,435円(月額126,952円)

ちょっと年金総額が増えましたね
ニコニコ


{EF113EA1-9ADC-4FF6-80A4-DE12CE2AE9A8}


※追記
今回は退職時改定を機に遺族厚生年金額の計算式が変わりましたが、過去の厚生年金記録漏れが見つかって年金額が増えた事により金額が今回の記事みたいに変更する事も時々ある。

ちなみにこの遺族厚生年金÷3×2+自分の老齢厚生年金÷2の合計額を遺族厚生年金として支給するやり方は、「配偶者」が65歳以降に遺族厚生年金を貰う場合のみ

配偶者以外の父母、祖父母が65歳以降に遺族厚生年金を貰う場合はこの計算式は適用されない。



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