今更どうやって年金を増やそうか?方法はこれ! | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちは!
年金アドバイザーのhirokiです。

明日から3月ですね〜

もともと3月とか4月って出会いと別れの月って感じで昔からあまり好きではなかったんですが、今は早く暖かくなってほしいし桜も見たいのでひたすら3月が嬉しいです(笑)



で、今日は2月28日という事で2月最後なんですが、国民年金保険料の口座振替やクレジットの1年前納や半年前納、2年前納の新規や変更申し込みの最終日なので申し込みたい人は年金事務所か市役所へ!急いで!


現金納付のこれらの前納は4月中まで。
現金で納める時、30万円以上の保険料納付はコンビニじゃ受け付けてくれないので注意。






それでは本題です。


60代近くになると、国民年金保険料を納める人が増えてきます。
年金不安や不信はあっても、やっぱり少しでも老後の年金を増やしたいという思いから、納付率が上がるのでしょう。


年金額を増やす手はいろいろあるにはあるんですが、今日はメジャーなやり方。




というわけで事例
ニコニコ
事例は毎度自分が思いつきで作ってます(笑)

ホントは言いたい事いっぱいあるけど、あんまりいろいろ例外入れちゃうと読み手にとってわけわかんなくなるので、あまり細かい事は省いてます(^^;;



1.昭和30年3月5日生まれの男性(3月で62歳)


今は支給開始年齢である61歳からの老齢厚生年金の報酬に比例する部分の年額400,000円(月額33,333円)を受給中
現在は短時間労働者として厚生年金には加入していない。
給与月額は120,000円。


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この人の年金記録。


ア.20歳になる昭和50年(1975年)3月から昭和63年(1988年)6月まで国民年金保険料納付済(160ヶ月)。

イ.昭和63年(1988年)7月から平成16年(2004年)5月まで厚生年金(191ヶ月)。


ウ.平成16年6月から平成22年(2010年)6月まで国民年金保険料未納(73ヶ月)。



エ.平成22年7月から60歳の前月の平成27年2月(ここまで年金保険料納付義務あり)まで国民年金保険料4分の3免除(56ヶ月)。

※年金月数を数えてみよう!(参考記事)




老齢厚生年金(報酬比例部分)400,000円。

で、65歳まではこの年金額で続いてしまうんですが、65歳からは老齢基礎年金が支給され始めるので、年金総額は増えます。




老齢基礎年金は国民年金から支給されますが、国民年金の全体の期間は160ヶ月+厚生年金加入の部分191ヶ月+4分の3免除の56ヶ月。

なみに4分の3免除というのは、本来の年金額の8分の5の金額に相当する。
※免除部分の老齢基礎年金への反映の仕方(手書き図説明記事)




このままだと、老齢基礎年金額はいくらか。


平成29年度老齢基礎年金満額779,300円。



779,300円÷480ヶ月×{160ヶ月+191ヶ月+(56ヶ月÷8×5)}=779,300円÷480ヶ月×386ヶ月=626,687円(月額52,223円)


よって、65歳からは老齢厚生年金400,000円+老齢基礎年金626,687円=1,026,687円となる。


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さて、まだこの男性は来月で62歳となり、65歳まで時間がありますよね。




だから何とかまだ年金は増やせます。




まず、過去10年以内(平成19年3月までの間)の免除の56ヶ月の部分の保険料を納める(免除部分を納める場合を追納という)。


追納する場合は一番古い部分から納めないと、返金されてしまうので注意(返金は還付請求書が年金事務所から送られてくるので、自分で請求しなければならない)

3年度以前の保険料を追納する場合は、当時の保険料に一定の加算金が付く為、やや多めに保険料を支払わなければならない。





そして、62歳(平成29年3月)から65歳(平成32年2月)までの36ヶ月国民年金に再度加入する(任意加入)。

※参考
一応、任意加入と共に国民年金基金に加入する事も可能。





すると、老齢基礎年金額はどうなるか。



老齢基礎年金→779,300円÷480ヶ月×(160ヶ月+191ヶ月+56ヶ月+36ヶ月=443ヶ月)=719,229円(月額59,935円)


年額だと、92,542円(719,229円ー626,687円)増えました。


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なお、62歳から65歳までの任意加入中は希望により付加年金の保険料も合わせて納付可能


もし付加年金の保険料(月額400円)も国民年金保険料と一緒に納めるなら、更に200円×36ヶ月=7,200円増えます。

※注意
国民年金基金に加入する場合は付加年金は納めれないから注意。
すでに国民年金基金に付加年金分が含まれているから。





だから、老齢厚生年金400,000円+老齢基礎年金719,229円+7,200円=1,126,429円(月額93,869円)となる。

場合によっては、振替加算56,799円もプラスになる事もある。
※振替加算額(日本年金機構)


なお、途中で厚生年金に加入すると国民年金の任意加入は出来なくなり、喪失(加入から脱退って事)という形になる。


厚生年金は70歳まで加入出来るから、厚生年金に加入出来るのであれば70歳まで老齢厚生年金を増やすという事になる。


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※追記
老齢基礎年金の受給権が発生する65歳誕生日(誕生日の前日)を迎えると、過去の国民年金保険料を納めて増やすという事は基本的には出来ないが、この事例の男性は国民年金保険料に任意加入している場合は少し異なります。


仮に国民年金保険料納付の時効である2年以内にこの任意加入している部分の保険料を未納にしていた場合は、65歳を過ぎても時効の過去2年以内であればそれを納付する事により、65歳時に遡って金額を変更してもらう事は出来ます(再裁定という)
ただ、65歳時に遡って金額を変更するので、過去の未納にしてる部分を何度かに分けて保険料を納付する事は原則として受け付けてはくれない。
だから納付する場合はまとめて保険料を払ってもらいます(要相談)。



あと、国民年金保険料免除の過去10年追納は65歳誕生日の前日を迎えた時点で完全不可になる。

今は過去5年以内の未納部分の保険料を納める後納制度(平成30年9月までの措置)もありますが、この後納も老齢基礎年金の受給権が発生する65歳になると納付不可。

老齢基礎年金を65歳前から貰う年金の繰り上げをした場合も不可になる。




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