支払った国民年金保険料はこんなふうに年金額に反映する!手書き図あり(^^;; | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

20~60歳まではみーんな国民年金に加入してるんですが、この40年間完璧に国民年金保険料納めると65歳から満額の老齢基礎年金(現在年金額780,100円)を受ける事になります。
くどいようですが、20~60歳までの厚生年金や共済年金期間は国民年金にも加入してる為、一階部分の老齢基礎年金と合わせて二階部分の老齢厚生年金とかを受けてるわけです。

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まあ、20~60歳までの40年間国民年金に加入義務があるので、その間学生だったり失業したりその他諸々の事情で国民年金保険料を免除してもらったり、どこか未納にしたという人もいるので、その人によって貰える年金額は様々です。


今日はその年金支給の基盤となる老齢基礎年金の金額の出し方を見てみましょう(^-^)/


なお、老齢基礎年金は平成21年3月以前の期間の年金額には3分の1が税金(国庫負担分)から支払われていて平成21年4月以降の期間の年金額は2分の1が税金から支払われています。
(学生納付特例や若年者猶予のような免除には税金使われてないから将来の年金額には反映しない→
※学生納付特例と若年者猶予は年金額に反映しない(参考記事)



というわけで、今後65歳になる人が受給する老齢基礎年金がいくらになるのかを簡単な例で計算してみましょう




で、ちょっとその前に保険料免除がどのくらい年金額に反映するか見てみます。
全額免除以外に、4分の3免除、半額免除、4分の1免除があり、これらを一部免除といいます。



※平成21年3月以前の全額免除は3分の1が年金額に反映。
下の図を見てみて下さい。
自分が支払う保険料国庫負担分(赤い斜線部分)とに分かれていますが、ブロック図にすると6個ある内の2個は国が負担します。
残り4個は自分が納付する所ですが、全額免除だから保険料支払いは無し。
だから3分の1が年金額に反映

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※4分の3免除は6分の3(2分の1)が年金額に反映。
ブロック図では6個の内の2個は国が負担し、残り自分が支払う4個の内の1個(黒い斜線部分)の保険料を支払う。
だから6分の3が年金額に反映

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※半額免除は6分の4(3分の2)が年金額に反映。
ブロック図では6個の内の2個は国が負担しますが、残り4個の内2個(黒い斜線部分)は自分が支払うから6分の4が年金額に反映。

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※4分の1免除は6分の5が年金額に反映
ブロック図では6個の内の2個は国が負担しますが、残り4個の内3個(黒い斜線部分)は自分が支払うから6分の5が年金額に反映。

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※平成21年4月以降の免除。


※全額免除は2分の1が年金額に反映。
ブロック図にすると、8個のブロックがありますがこの内4個は国が負担するから8分の4(2分の1)が年金額に反映。

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※4分の3免除は、8分の5が年金額に反映。
ブロック図では8個の内4個は国が負担しますが、残り4個の内1個(黒い斜線部分)は自分が支払うから8分の5が年金額に反映。

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※半額免除は8分の6(4分の3)が年金額に反映
ブロック図では8個の内4個は国が負担しますが、残り4個の内の2個(黒い斜線部分)は自分が支払うから8分の6(4分の3)が年金額に反映。

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※4分の1免除は8分の7が年金額に反映
ブロック図では8個のうち4個は国が負担しますが、残り4個のうち3個(黒い斜線部分)は自分が支払うから8分の7が年金額に反映。

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以上を踏まえた上で、老齢基礎年金を計算してみましょう




※受給者のデータ
①保険料納付済期間370ヶ月
②平成21年3月以前の保険料全額免除24ヶ月。
③平成21年3月以前の4分の1免除期間20ヶ月。
④平成21年4月以降の保険料4分の3免除期間24ヶ月
⑤平成21年4月以降の半額免除30ヶ月。
⑥平成21年4月以降の全額免除12ヶ月。


①370ヶ月+②24ヶ月×3分の1+③20ヶ月×6分の5+④24ヶ月×8分の5+⑤30ヶ月×8分の6+⑥12ヶ月×2分の1
①370ヶ月+②8ヶ月+③16.66…ヶ月+④15ヶ月+⑤22.5ヶ月+⑥6ヶ月=438.16ヶ月

満額老齢基礎年金780,100円×438.16ヶ月÷480ヶ月=712,101円1円未満四捨五入


という感じで老齢基礎年金は計算します



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※追記

保険料納付済期間と免除期間の合計月数っていうのは普通は480ヶ月が上限なんですが、免除期間があると年金額が下がっちゃうから60歳以降も国民年金に任意加入する事で480ヶ月を超える事があります。


どういうことかというと、保険料納付済期間+保険料免除期間=480ヶ月じゃ満額の老齢基礎年金は受けれないですよね。
老齢基礎年金満額780,100円(480ヶ月完璧に保険料納めた場合の年金額)


まあ、免除期間というのは普通は過去10年以内にあるなら保険料の追納で免除してもらった保険料を納めて年金額を増やしますが、もう10年超えてたりすると追納が出来ず、年金額は低いままに終わります。


というわけでこの場合60歳以降の任意加入で老齢基礎年金を増やすわけです(任意加入は原則65歳まで)。


例えば、20~60歳の480ヶ月の内に保険料納付済期間396ヶ月4分の3免除48ヶ月全額免除36ヶ月を全て足すと480ヶ月になりますが、免除期間があると年金額が少ないから、更に60~65歳の間で年金額を増やすために任意加入するとどうなるのか。


まずこの5年間任意加入するとします。


となると…単純に月数足すと、540ヶ月というとんでもない月数になります(。A。)!!


しかし、任意加入する事で加入する期間分の免除期間を減らしていきます。
厳密に言うと、480ヶ月を超える場合の免除期間の国庫負担分は含めません


まず、全額免除36ヶ月はすべて国庫負担分しかないから全部の期間を排除します。


次に4分の3免除は48ヶ月ありますが、この時点で396ヶ月+任意加入60ヶ月+4分の3免除48ヶ月=504ヶ月あり、480ヶ月より24ヶ月オーバーしています。


480ヶ月よりオーバーしたものは国庫負担分は含めないルールになっているので、通常だったら4分の3免除は国庫負担分含めた8分の5が年金額に反映しますが、480ヶ月オーバーした分は8分の5から国庫負担分(8分の4)を除きます。
つまり8分の1しか年金額に反映しない。

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というわけでこうすると年金額はどうなるかというと、

保険料納付済期間456ヶ月(396+60)+保険料4分の3免除24ヶ月×8分の5+480ヶ月を超えた4分の3免除24ヶ月×8分の1=456ヶ月+15ヶ月+3ヶ月=474ヶ月となり、よって年金額は780,100円÷480ヶ月×474ヶ月=770,349円になります。



※注意!!
保険料納付済期間と保険料免除期間と任意加入期間を合わせて満額になる場合は、必要な任意加入期間を算出するためにちょっと特殊な計算をします。

よって、任意加入をしたい場合はどのくらいの期間分を支払えば良いのか年金事務所や市役所に相談を。